2024年1月13日土曜日

蒸しパンがもっとメジャーな食べ物になるための一里塚

僕は、かなり昔から蒸しパンが好きなのだ。

あんこが好きなので純粋好き度数ではあんぱんの方に軍配は上がるが、しかし、食べてみて「これは美味しい!」と心ときめいたのは、圧倒的に蒸しパンの方が早く、好き経過年数では蒸しパンの方に分がある。

山崎パンの「アールグレイ蒸しパン」
とても美味しかったけど、最近見ないような
まさか、廃番……

各製パン会社の出している蒸しパンのバリエーションを見れば、蒸しパンというジャンルが世の中にすっかり受け入れられている事はすんなりと理解できるのだが、どうもこう、なんというか「蒸しパン同好の士」というのに会ったことがないような気がする。

わざわざプロフィールに「好物:蒸しパン」と書いてる人もあまりいないような気がするし。いや、自分も書いてないけども。

思うにこれは、「蒸しパン」という言葉の語感が良くないからだと思う。

幼少期からの日本語を学習する順番からしても「むしぱん」という言葉を聞けば、たとえ大人であっても瞬間的に「虫」という言葉が脳裏に浮かぶ、そういう悲しい宿命があるのではないかとそう思うのだ。

なので、「好きなパンは?」みたいなダイレクトな質問に対しても「(むし、あっ!)メロンパンです」みたいな、「虫」を避けてしまう無意識の行動原理が働いているのではないだろうかと、そう推察されるのだ。

そこで私からの提案ですが、世の中の隠れ蒸しパン好きが、もっと大手を振って蒸しパン好きをアピール出来るように、蒸しパンという言葉を使わないようにすれば良いと思います。

調べてみるに英語では蒸しパンは、ド直球のダイレクト変換で「Steamed bread」と言うそうなので、「蒸しパン 改メ スチーム・ブレッドです!よろしくお願いします」とやれば、世の中の隠れ蒸しパン好きは拍手喝采とともにこの変更を歓迎してくれると思う。

そして「虫」という言葉の呪縛から解き放たれた後は、語感によって毛嫌い・食べず嫌いをしていた一般人も「”むし”という言葉がつかないなら、ひとつ買ってみようかしら?」と一気に方向転換し、また、アイドルや若い芸能人も気兼ねなく「好きな食べ物はスチーム・ブレッドです!」と答えられるようになる。

結果、当然のように購入者の裾野は広がり、需要は拡大する。消費者の多様な嗜好に合わせて新商品は次々と繰り出され、各社が切磋琢磨し、クオリティはやがて芸術の域にまで達する。その頃には、日本は世界に冠たるスチーム・ブレッド大国に。

そんな未来が僕には見えています。

一番好きな「ヤマザキ 厚焼きたまご風蒸しパン」
この簡素なラッピングが最高なのだ
ぜひこの形態のまま販売を続けて下さい!

絞り染めも「絞り染め」という「平安時代から使われているんですか?」と質問を受けそうな言葉を廃し、ド直球ダイレクト変換である「タイダイ」という言葉が最近やけに使われる傾向にある。これなのである。

コール天がコーデュロイに、ズボンがパンツに、ミリバールがヘクトパスカルになるように、「実体は同じだけど新しくしましたよ」という態度が大事なのだ。

無論、「実体が同じなのに名前だけ変えるなんておかしい」という正論もあるのだが、世の中は正論だけでは渡ってはいけないのだ。

だから各社の製パン会社の企画担当の方、一度で良いから「蒸しパン」表記を「スチーム・ブレッド」として出してみて下さい。きっと蒸しパンのイメージアップに繋がるはずです。

どうかよろしくお願いします!


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