昨日の言い訳じみた記事を書いたおかげで、テキトーに思い出話を書いても本人的には罪悪感がないので、今日はスラスラ「ブレードランナー(リドリー・スコット監督/1982年)」の事を書けます。
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| SFで検索したら出てきたんです…… (いらすとや) |
思い出話という事でかなり断片的ですが。
今でこそSF映画の金字塔的扱いの「ブレードランナー」ですが、日本公開時の評判はさっぱりでした。自分の周りで「ブレードランナー」が良い映画だと評価していた人は、一人もいなかったです。それぐらい酷評の映画でした。いや、酷評というか「苦笑いの連続」みたいな、そんな評価でした。
「スターウォーズ」、「レイダース」のハリソン・フォードの主演作だったので、公開前の期待値は相当高かったと思います。
発表されていたビジュアルは不思議な雰囲気を漂わせ、それでいて格好良かったし、SF映画でスターウォーズばりの銃撃アクション映画、というような宣伝もとられていたので、その手の映画を期待していた向きには、作品内の暗くじめじめしたイメージや、ハリソン・フォードがまったく格好良くない事に対してがっかりする声が公開後さっそく挙がりました。
実は「ブレードランナー」のがっかりポイントは公開前から始まっていたフシがあります。当時は(今も?)、映画公開前にラジオでその映画のサウンドトラックを流して期待を煽るのですが、「ブレードランナー」はあろうことかブレードランナーのテーマとして、オープニングタイトルを流したのです。
オープニングのあの音楽。
♪ぴぽー、ぴぽー、どどん、ぴぽー、ぴぽー、どどどん(当時自分が感じたモノを忠実に再現)
これをラジオで聞いた人の中には、これがとても映画音楽とは思えず、一体どんな映画なんだ?と不安になり、これは夏休みに観る映画じゃないと感じてパスした人も居たようです(ちなみに僕は「なんじゃこれ?」とゲラゲラ笑いながら何度も聞いたクチです)。
そんな訳で、始まる前から来場者を減らし、観に行った人からは良い評判を聞かないという事で、かなりあっさりと劇場公開は終わりました。
当時聞いた「ブレードランナー」の評判は
- ハリソン・フォードはイキってる割には格好悪いシーンが多い
- ハリソン・フォードが女しか殺さん
- ハリソン・フォードの殺し方が格好悪い
- 「二つで十分ですよ」とか普通言わんやろ
- 「強力わかもと」で笑ってしまう
- スピナーの吊り線が丸見え
- 「イエース、クエスチョン」(ものまね風に)
- ルトガー・ハウアー、なんでパンイチやねん
- ルトガー・ハウアーが頭から壁に突っ込む意味が分からん
- ルトガー・ハウアーが鳩を捕まえて真面目な顔してるシーンで爆笑
- 鳩が飛んでいく時の壁が急に手抜き
- 鳩が飛んでいく時の壁がキリンビールの(尼崎)工場みたい
- 最後のレイチェルの設定、ご都合主義すぎやろ
上記の感想のうち「スピナーの吊り線が丸見え」と「鳩が飛んでいく時の壁」は現在のファイナルカット版では修正され、「レイチェルのご都合主義的設定」は、ディレクターズ・カット版以降は綺麗さっぱりなくなっています。
しかし、それら以外は今でも当時と同じです。でも、それが今では「格好良い」に変わってる訳ですから、当時を知る人間としては不思議な気がします。
ちなみに上記の「面白ポイント」を観るために何度も「ブレードランナー」を観た人もいました。だから、当時はどっちかと言うと「ネタ映画」、「カルト作品」みたいな扱いだったのです。
ただ何度も言いますが、「ブレードランナー」のビジュアルは当時から評価が高かったというのは確かです。本邦においてシド・ミードの名前が広く知られるきっかけになったのは間違いなく「ブレードランナー」からで、逆に言うと「ブレードランナー」で唯一知名度と評価を上げたのがシド・ミードだったと言っても過言ではないでしょう。
「ブレードランナー」が作品として評価が高まったのは、サイバーパンクが流行った後ぐらいだと思います。その時はまだ劇場公開版がVHSでレンタル・販売されており、その後、作品の評価の高まりを受けてディレクターズ・カット版(1992年)が出たんだと思います。
ディレクターズ・カット版が出た時にはすでに「サイバーパンクの記念碑的作品」という評価になっていたはずなので、「ブレードランナー」は劇場公開こそコケたが、そう時を経ずに「名作」という扱いになったようです。おそらく1986年辺りですでに「カルト映画」という評価は脱して「名作」になっていたのだろうと推察されます。
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さて、謎多き映画「ブレードランナー」に関して非常に良く聞く噂のひとつに「『ブレードランナー』にミレニアム・ファルコン号が登場する」というのがあります。
実はこれは劇場公開時からそれとなく言われていて、ソフト化に際して「ミレニアム・ファルコン号を探す」というマニアックな視聴方法が有志によって展開されたりしました。
この噂の検証結果を僕もいくつか聞いたのですが、一番多かったのは「タイレル社に向かう時に空を飛んでる一機が実はミレニアム・ファルコン号で、それは◯◯の辺りを飛んでいる!」というものでした。
ところが僕はこれとはまったく違う別の噂を聞いていて、しかもその噂の「実物」も見たことがあるのです。
僕が聞いていた噂は「登場するのはミレニアム・ファルコン号全体ではなく、ミレニアム・ファルコン号の円形アンテナである」というもので、それは現在のファイナルカット版であればおよそオープニングから10分28秒後に登場する「マンションのような建物」の中腹に据えられているそれであると、かなり具体的な話でした。
そして、僕はこの「マンションのような建物」の実物模型を見たことがあり、そこに設置してあるのが確かにミレニアム・ファルコン号っぽいアンテナだったのを確認しています。
ちなみになんでそんな実物を見たことがあるのかと言うと、ずいぶん昔に今は亡きエキスポランドで「SFX展」というイベントがあり、そこの展示で見たのです。
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| SFX展で撮った「ゴーストバスターズ」のプロトンパック 展示の目玉でした ちなみにこの時はまだ「2」をやっていない (フィルム写真からのスキャン) |
この時の「SFX展」では、タイレル社本社の巨大な模型も、モーションコントロールカメラの実演デモと共に展示されており、かなりの大掛かりなイベントでした。
展示していた映画も、思い出せる限りでも「ブレードランナー」、「ゴーストバスターズ」、「狼男アメリカン」、「ニューヨーク1997」、「ビデオドローム」と当時としては相当な物量でした。
その時にたくさん写真を撮って、件のマンションの写真も撮ったのだが、残念ながら今回は「ゴーストバスターズ」の写真しか発見出来なかった。昔の写真は管理がいい加減なので、さっと探し出せないのが悔しい。
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| 「ゴーストバスターズ」のオバケ こいつの横には操作用のレバーもたくさん展示してあった (フィルム写真からのスキャン) |
現在では「ミレニアム・ファルコン号の噂」の真相は、メイキング映像や写真から、警察ビルの手前に立つ謎の塔(オープニングから10分43秒辺り)の材料としてファルコン号のキットが使われた、という事で解決しています。
だから、マンションのアンテナも、きっとその模型からの流用だろうと推察されます。つまり、結果的に僕の聞いていた噂は本当だった訳です。
しかし、情報源が極端に限られていた当時、なぜこんな確度の高い噂が一体どこから流れてきたのか、それは本当に謎なのです。
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