2020年7月26日日曜日

おろしや国無酔譚 ウラジオストク滞在記 (17)

おろしや国無酔譚 ウラジオストク滞在記もくじ

間違ったバスに乗り、金角湾横断橋をきっちり渡り終えてしまった我々は、最初の停留所で文字通りバスを飛び降り、本来なら四車線分を跨ぐだけで済むところをわざわざ6車線に拡張して施工した意味不明型の長大な歩道橋を利用し、わっせわっせと反対側の停留所へと走った。

クロックス系のお気楽サンダルを履いて、フル装備の撮影機材を背負っていた僕は一旦一本目のバスをあえて見逃し、「のんびりゆったり次のバスで」という算段だったが、今回の旅の日程をすべて考案した井上くんからの「なにしてるんですか?早よ走って下さい!」という怒気を孕んだ一言でその甘い考えはすべて吹き飛び、ひーひー言いながら己の持ちうるポテンシャルの約43%を使ってバス停まで急いだのであった。