2022年5月3日火曜日

飲み終わったら終わるラジオ(25) 「あをによし」

 まずはこの15分程の動画を見てやって下さい。


今回も後輩芸人の福人(ふくんちゅ)君のYouTube番組にゲスト出演してました。

今回の一文字は「り」から、リニアモーターカー、そして話は「古都」を巡って京都と奈良の話へと。
(「続きを読む」以下、およそ2,300文字)


リニアモーターカーが、世界ではとっくに営業運転している事を知らない人は結構多いですね。
日本人の感覚ではリニアモーターカーは新幹線に代わる「超々特急列車」というイメージですが、大阪人に身近なところでは、あの長堀鶴見緑地線もリニアモーターカーです。

日本で始めて営業運転をしたリニアモーターカーとして名高い長堀鶴見緑地線は、あの花博(国際花と緑の博覧会)に合わせて開業したので、1990年にはもう走っていた訳です。

当時、花博会場でアルバイトをしていた僕は、会期中毎日のようにこの長堀鶴見緑地線に乗っていました。

その当時はまだ京橋駅から鶴見緑地駅までしか開通しておらず、初めて利用した際には、「これ、どこまで降りていくねん?」と不安になるほどの駅の深さや、車体の小ささと軌道の間のリアクションプレートの存在、そして、発車時のそれまでに聞いたことのないタイプの異様なモーター音等々、とても珍妙な乗り物でした。

あ、あと「蒲生(がもう)」という地名もこの時知ったのだけど、初めて聞いた時は「『がもう』?『がもう』ってなに?」って感じでした。
蒲生四丁目駅に着くたび「不思議な駅名やなぁ」と思ってました。


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次世代の超高速鉄道という意味でのリニアモーターカーで世界最初に商業運転を始めたのは、中国は上海の「上海トランスピッド(SMT:上海磁浮列車)」です。これは中国が独自開発したシステムではなく、技術的なベースはドイツのものが使われている。

無骨過ぎるデザインの上海トランスピッド
列車の顔たる先頭車両のデザインはもうちょっと凝って欲しいもんだ
(2019年11月撮影)


ワタクシも2019年に上海を旅行した折に、わざわざ乗ってきました。
一緒に行ったのは、ウラジオストク旅行でも同行してくれた井上くんだ。

現在は時速300キロまでの運転しかしていない上海トランスピッドであるが、この時は世界最速の431km/hで営業運転しており、ぜひともこの時速400キロの世界を二人して体験してみたかったのだ。

列車に乗り込むと、僕はカメラを窓にひっつけて車窓を、井上くんは列車内にあるスピード表示にカメラを向け、お互いに「オーバー400キロの世界」を記念に残そうとした。

井上くん(左)とワタクシ(右)
各々のスタイルで「オーバー400キロ」を記録する二人
いや、僕らだけじゃなくて、他の人もしてるんですよ?


個人的な感想を言わせてもらうと、400キロ超えの感動はあまりなかった。

それはなぜかと言うと、上海トランスピッドは、相対的なスピードを実感できるような建物があまりない平原みたいなところを走行するので、路線脇に生えた草木以外は、あまりスピード感が得られないのだ。

また、最高速度に達してもアナウンスもなんにもないので、スピードメーターを見ている人以外には、超高速運転をしている事が解りにくい。

なんかちょっと演出的な意味でもったいない上海トランスピッドでした。

時速431キロの営業運転に興味のある人は下の動画をどうぞ:


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さて、奈良です。

僕は奈良県というか、奈良公園を中心としたあの辺りの雰囲気が大好きなので、できれば変わって欲しくないな、という思いがあります。
この気持ちが他府県人のエゴであることは重々承知なのですが、それでもやっぱり奈良はあまり変わって欲しくないです。

僕の中での永遠の心の都、それが奈良です。

しかし、大好きと言いながらも、奈良公園へ遊びに行ったのは、多分今までで3回しかないと思います。すみません。

一回目は高校生の時のシルクロード博(なら・シルクロード博覧会)、次は成人してから、奈良国立博物館の「特別展 運慶・快慶とその弟子たち」を観に行った時、最後は東大寺で営まれた「聖武天皇1250年御遠忌(ごおんき)」を観に行った時。
御遠忌は2006年の出来事なので、実に16年も前ですね。

御遠忌の準備として五色幔幕で飾られる東大寺大仏殿
(2006年5月撮影)


漫画「バガボンド」を読んだ人ならここへ来たくなる
「宝蔵院流鎌槍発祥之地」の石碑


「そんなに好きなら、もっとしょっちゅう行って、写真でも撮ったら?」という人もいるが、僕から言わせれば奈良というのは、写真に撮るとか撮らないとかそういう問題ではない「ただそこにあるだけで十分以上に価値がある」ものなので、わざわざ行く必要も、写真に収める必要も本来ないのです。説明は難しいですけども。

年数を数えれば16年間も訪れていないが、そんな年数など微塵も関係ないぐらいの永遠の心の都なのです。さすが手塚治虫先生の「火の鳥 鳳凰編」の舞台になっただけの事はある。そんな街なのです。

あと、僕はボブ・ディランも大好きなので、奈良と関連する話題を最後にひとつ。

1994年に東大寺大仏殿前で行われたユネスコ主導のイベント「The Great Music Experience」で、ディランが「A Hard Rain’s A‐Gonna Fall」を歌ったのだが、これが未だにこの時以上の編曲は出来ないと言われる程の名アレンジになっており、まさに奈良のパワーが乗り移ったとも言うべき神々しい一曲となっています(大仏殿の前なのに神々しいのはアレですけど)。

とにかくこの一曲は、奈良好きとディラン好きにはダブルで嬉しい曲なのです。
永遠の都に永遠の名曲なのです。
是非みなさんも探して聴いてみて下さい。

ちなみに、このイベント時にディランがサインをしたパンフレットが、つい先日海外のオークションに出品されてました。

ディラン直筆のサイン入りパンフレット


落札価格は2,637.12ドル
円安の$1 = 130円計算でおおよそ35万円です!


奈良とディランのダブルパワーで、落札価格もお高めになっています。
欲しいけど、こりゃとても買えませんわ。


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