2022年5月31日火曜日

21年前のホームページから4コマ漫画の再掲(8) 「方向音痴のヒオキさん」

昔の4コマ漫画
(素材:いらすとや)


21年前のホームページに掲載していた4コマ漫画再掲載プロジェクト・その8。

昭和の王道4コマ漫画という感じの雰囲気ですが、まあそれはさておき、これは大筋で実話です。

なぜだかは良く判りませんが、ヒオキさんはとにかく方向音痴でした。しかも、割とシャレにならないぐらいの。

この漫画では通天閣という巨大なランドマークの足元にある「餃子の王将」をなかなか見つけられなかったというのがオチになっていますが、実はこれにはもう一段オチがある。

この時ヒオキさんは、今は亡きフェスティバル・ゲート内の「謎屋」というお店で働いていた。このフェスティバル・ゲートから通天閣までは本当に「目と鼻の先」の距離、というかまっすぐの道一本で繋がっていて、通天閣はずっと丸見えなのである。

だから、土地勘のある人がこの漫画を読むと「よくあの短い距離であんなデカイ対象物を見失えたな」と、二重に面白い訳です(ちなみにフェスティバル・ゲートも通天閣の足元の王将も、2022年現在は存在しません)。


今となっては超貴重な当時の「謎屋」の宣伝用地図より
フェスティバル・ゲートと通天閣の位置関係が良く分かる


在りし日のフェスティバル・ゲートの出口から見た通天閣
よくこれで通天閣を見落とせたな
(当時のHPに使ってた画像より)


4コマ目で僕が怒り、ヒオキさんは「何が?」と言っているが、実際には僕が「なんでこれ見逃すねん」と笑って流したのに対し、ヒオキさんは「俺はなんでこれが判らへんかったんや……」とちょっと凹んだんです。

ヒオキさんは自身の方向音痴を認識していましたが、本人はもうちょっとマシだと思っていたんでしょうね。それがまさかの「通天閣までをも見落とすレベルだった」という事で、ショックを受けたようでした。

とにかく、営業に行くたびに「ヒオキさんが変な方向へ先導して歩きだす」というのは定番のネタでした。

我々はコンビだったんで二人でよく仕事に行ったのですが、仕事場の楽屋(控室)からトイレに行った後、ヒオキさんは必ず(必ずです)、右に曲がるところを左に、左に曲がるところを右にと逆へ逆へと進んで行くので、なかなか楽屋に帰って来れませんでした。

ある時からヒオキさんは一計を案じたのか、僕がトイレに立つと同時にトイレへ行くという作戦を敢行するようになりました。しかし、用が済んで、楽屋に帰る段になると、なぜかヒオキさんは自ら先頭に立ち、トイレの出口でいきなり右左を間違えて歩き出すので、僕はそれを後方であえて黙って見送り、こっそりと一人で楽屋に帰るというカウンターアタックで対抗していました。

一度、ポルトヨーロッパで夜の仕事が終わった後、今まで一度も通った事のない謎のルートを通ってホテルに帰ろうとし、街頭のない真っ暗な川沿いをしばらく歩いてから「ここどこやねん!」と怒りだした事がありましたが、あれは面白かったです。

でも、不思議な事にヒオキさんはあの現代の巨大ダンジョンとして名高い「梅田の地下街」では迷子になった事はないんですよ。抜け道や最短ルート、お店の情報にも詳しかったですし。

だから本当は方向音痴ではない別の「なにか」なのかも知れませんね。


0 件のコメント: