2021年1月28日木曜日

おろしや国無酔譚 ウラジオストク滞在記 (30)

おろしや国無酔譚 ウラジオストク滞在記もくじ

面白そうオーラに包まれているキタイスキー市場の薄暗い入り口を通り抜けると、左側は青いビニールシートで作られた謎の天幕軍団が、右側は駐車場とそれに隣接する商業ビルがと、なにか対象的な風景が広がっていた。

とりあえず、レストラン街もあるということなので商業ビルの方へ入ってみるが、これが実に面白くない。どこにでもあるような「ケータイ関連ショップ」が延々と続く。うーん。

じゃあ、時間も時間なのでちょっとレストランフロアでお昼ごはんでも食べますかと、階を上がれば、これまたフロア全体が閑散としていて、しかも「おお、この店ええやん!」というようなインパクトのある店もまるでない。

「なんかコレといってエエ店がないな」
「そうっすねえ」

この辺りで僕は先ほどまで満タンであった「面白そうメーター」の容量が急激に下がっているのを感じ、「これはヤバいのではないか?」と思い始めていた。

僕が渋い顔をして立ってるのを見て井上くんが言う。

「いやまあ、ここは本番じゃないですから」
「そうなん?」
「じゃ、もう、本番の所行っちゃいます?」
「行こう、ここはアカン」
「じゃ、こっちへ」

案内されるまま、非常階段のベランダへと出ると、先ほど見た天幕商店軍団の全貌が眼下に広がっていた。
それを見た僕は思わず松田優作ばりに「なんじゃこら?」と言ってしまうほどの巨大さであった。

テキトーに撮った3枚の写真から手動で合成
下を歩いている人を見て巨大さを感じてください
(クリックで拡大)

「ここなんすよ」
「こんなん絶対おもろいやん!はよ行こ!」

「面白そうメーター」は急速充填で満タンになり、駆け足で一階に降りた我々は、その「ブルーシートの巣」とも言うべき巨大天幕にずいずいと侵入していったのである。

通路の両側は切れ目なく店が続く
床には木が敷いてあって古い船のような感覚
この通路は広い方で、商品に半ば埋もれている通路もある


靴屋さんもある
革靴とスニーカーを買おうかと思った


4足100ルーブルの靴下
100ルーブルは140円ぐらい
やっす!


文字通り山程ある商品群
見ているだけでも疲れる

あの巨大天幕の下に、ぎゅうぎゅうに店も商品も詰まっていて、生活に関する衣類品・小物ならほとんど全部揃えることが出来る!しかも格安で!
そんなところなのである。

僕は断言します。ウラジオストクへ旅行する人は、手荷物無しの着の身着のままで入国し、すぐさまここキタイスキー市場に来て、滞在日数に応じて必要な分だけ衣類を購入する、というのがベストであると。
それぐらいなんでも揃います。

この天幕商店の唯一の弱点は、商品の色が全部「青かぶり」して見える事です(笑)
商品の正しい色を知りたい場合は、写真に撮って「青かぶり除去フィルター」でも使ってください。今はカメラが賢いから撮った時点で正しい色になってるかも知れませんけど。

キタイスキー市場はこの巨大天幕商店群だけではなく、先ほどの商業ビルも含めスーパーマーケットもあり、飲食店も喫茶店やファストフード、アイスクリームに謎のジュース、お土産物屋、金物屋、青果売り場に魚屋ととにかく色々なお店がギュッと集まった一大商業エリアなのである。

お手軽な食べ物屋さん通り
通りは大体同じような業種が固まって営業している


果物屋
なんで欧米の果物屋は「一盛り」でディスプレイしないのか問題
これじゃ下の方にあるやつは痛むの早いでしょうに


魚屋
魚の種類はあんまり解らなかった
魚を生で食べない国の魚屋は日本人には生臭く感じられますね
鮮度にそこまでシビアじゃないというか


香料屋、かな?


果物や野菜を売る店は非常にたくさんある
ただ、売ってるものは店ごとにそんなに代わり映えしない


スイカ屋
ひと玉がとにかくデカイ!
専業なのかどうか知らないけど、スイカだけが大量に並んでいた
スイカは人気なのか「スイカ屋」は市場内に数件ある


スーパーマーケットの中
エビと一緒にカニの「ツメの腕」だけ売ってる
「ツメの腕」は特別なんでしょうかね?
肉もスーパーマーケットの中で解体して量り売りしてます


カニの脚がとにかく太くて長い
赤ちゃんの腕ぐらいの太さがある
ただこれに本体はくっついてない
ロシアの人はカニ味噌とか食べないのか?
本体は別売り?


とにかく見どころも買いどころもお食事処もあるキタイスキー市場なのである。
ぜひ、お腹を空かせて歩きやすい格好で遊びに行ってください。
我々は午後からの予定もあったので小一時間ぐらいで離れてしまったけども、半日ぐらい余裕で楽しめますよ。

そんな感じでキタイスキー市場を楽しんだ後は、バス停のあるルゴヴァヤまで徒歩で移動。
途中、フリーマーケットもやっていたのでそこにも立ち寄る。


ピンクの線が路面電車
上がルゴヴァヤ電停、右下がスタディオン電停方面
左中ほどの「リノク」がスポルチヴナヤ電停の事
青で囲った部分がキタイスキー市場
水色の塗りつぶしが天幕商店群
赤の長方形の辺りがフリーマーケット
(クリックして拡大)


この高さは設計ミスやろ?と思うトンネルを抜けると……


そこはフリーマーケットの世界であった
大したものはないけれど、珍しいものはある


フリマ定番のピンバッジ屋さん
旧ソ連時代のピンバッジや古銭を大量に売っている
日本の戦前の本や古銭もあったのでびっくり
ここのおじさんが今回の旅行で一番英語に堪能な人でした

フリーマーケットでピンバッジとなにか良く判らないモノを数点買って、ルゴヴァヤ バス停に向かった。

今からホテルに帰って、午後からは ”クレジットカード使用不能男” を助けてやるのだ(笑)

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