2026年3月24日火曜日

自分の知ってる分野のアレな話には即座に反応してしまうのはなぜか?


 なんとなく一見「ほのぼの話」な感じではあるが、(一応)マジシャンである自分がこういったポストを見ると「ふーん、あっそうなの」とジト目で読んでしまうぐらいには、アレな感じがする。

上記の場面、あり得ない話ではないが、正直かなり不自然な状況だなとは思ってしまう訳です。

「室内を飛び回っていた」がどの程度「飛び回っていた」のかがこの描写では分からないので、やはり「あり得ない話ではない」という他ないのだが、「飛び回っていた」事自体がすでに不自然だったりもするので、やはりちょっとアレな感じはする。

いや「飛び回るタイプ」を使ってる可能性もあるにはあるが。あくまでも可能性だけど。


僕は鳩を使うマジシャンではないですが、今まで出会った鳩を使うマジシャンが鳩を愛情込めてお世話している場面や言動、他人の噂・風説等は、一度も目にも耳にもした事がありません。

マジックの世界では鳩は残酷なぐらい「道具」です。

死んでも「あ、死んでる」ぐらいのもので、「可哀想」とかよりも「新しいの手に入れな」ぐらいの感覚です。実際、ちょっと値段の高いマジック道具の方が、圧倒的に大事にされます。

家の中では狭いケージにツガイにならないように入れて、暗幕をかけておく。ツガイにしないのは、ツガイにすると卵をポンポコ産むからで、暗幕をかけるのは、明るいと元気に動き回って餌をたくさん食べるようになるからです。

そして、なぜ「飛び回る」のが不自然なのかというと、マジック用の鳩は「飛べないように羽をハサミで切っている」からです。

よく、ハンカチ等から現れた鳩が、マジシャンの指先に止まって羽をバタバタしている場面を見ることがあると思います。一見すると指先に止まって羽をバタつかせて自己アピールをするように躾けられた鳩のように思えますが、あれは飛行に必要な羽を切られているのにも関わらず、浮力を得ようと必死に羽を動かして飛ぼうともがいてるだけなのです。

そして、これは詳しくは言えませんが、鳩はマジシャンによって「出現させられる前」、あるいは「消された後」、愛護という言葉からは想像出来ないような態勢で「格納」されています。

それがどれほど過酷な態勢なのかは言えませんが、マジシャンがステージに登場して、真っ先にするのが「鳩のマジック」である事は、その過酷さを如実に物語っています。


とまあ、こういった事実を知っていると、上記ポストはやはりジト目で読むしかないのである。

もちろん、件のマジシャンが世界でも類を見ない鳩に愛情を注ぐマジシャンである可能性や、単にペットとして飼っている可能性も残っています。

だから直接指摘したりは出来ないのだ。

可能性があるんだから。



0 件のコメント: