2021年12月30日木曜日

飲み終わったら終わるラジオ(8) 「前説ととびっ子」

まずは10分程度のこの動画を観てやって下さい。


今回も後輩芸人の福人(ふくんちゅ)から「今すぐダッシュで来て下さい」と言われて、彼の番組に出てました。

今回のテーマは「さ」から「舞台周り」の話でした。


吉本興業さんの所有している劇場は数あれど、その中でも「なんばグランド花月(NGK)」は特にデカく、出演している芸人さんも超一流揃いで、他の事務所に所属している僕でさえも、「大阪のお笑いの聖地」と言われれば、それはもう「へへー!」と平伏し納得するしかない、そんな重要な舞台なのである。

僕自身はNGKの舞台には立ったことはないが、その裏側は何度かお邪魔したことがある。
舞台袖から舞台や客席を見ると「こんなデカイところで漫才をするとか尋常じゃないな!」とひしひしと思えます。

そして、その舞台袖もとにかく広い。
そこらの小劇場なら、舞台まるまる、いや客席ごと舞台袖に収容出来るほどデカイ。普通にバスケットボールが出来るぐらいの大きさがあります。

「舞台袖だけでも貸してくれへんかな?」と「舞台難民」である演者はみんな思うでしょう。

ところで、お客さんとしてNGKに行った人は、そこで「顔も名前も全然知らない芸人」が前説や中説、場繋ぎにアンケートといった形で舞台や幕前、客席で活動しているのを見ることがあると思います。

お客さんからすれば「顔も名前も全然知らない売れてない芸人」ですが、彼らは「ちょっとでもNGKに関わる仕事をしている」という意味では、他の「顔も名前も全然知らない売れてない芸人」より、頭一つ抜け出した状態なんです。
それぐらい「NGK」というのは、重要な場所なんですね。

とにかく、ああいう巨大な劇場組織で毎日鍛えられているから、吉本興業の芸人さんは「強い」んです。

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今の時代はあまり使わないかも知れないけれど、以前は「マジシャンととびっ子」は、強固に結びついた関係でした。

それは、僕のように「合図として使う」のではなく、分解し、他の装置に組み込んで「遠隔でスイッチを入れるため」の電子部品として使う、というものでした。

もちろん電子回路の知識があれば「とびっ子」など使わなくても、遠隔操作ができるマジック道具を作ることは可能なのであるが、とびっ子を分解して既存のマジック道具に接続する方がはるかにお手軽に作れるので、この手法が流行った時期があったのだそうな。

そのへんの事情を知らなかった若かりし頃の僕は、ある古参マジシャンの倉庫で山と積まれた大量のとびっ子を見た時に「こんなようさん、誰に使いますの?」と思わず訊いてしまい、そこで初めてマジシャンととびっ子の関係を知ったのでした。
ちなみに僕が持っていたとびっ子はこの時もらった物だ。

おそらくマジックの業界では、今でもとびっ子を使う「技法や装置」は残っているとは思うが、現代では無線技術としてBluetoothやWi-Fiもあるし、優秀な「起動装置」としてのスマホもあるので、もはやとびっ子を積極的に使う理由はないと思う。

しかし、とびっ子の「電池を入れて、ボタンを押すだけ」のシンプルなオペレーションは、マジックの道具として見た場合、洗練されていて非常に美しい。
だからそういう意味では、今でも十分に使える道具だと思う。

客席に同じ周波数のとびっ子を装着した人がいなければ、だけど。


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