2026年6月9日火曜日

「キーボード配列QWERTYの謎」という激しく面白い本

先日読んだこの「キーボード配列QWERTYの謎」がとても面白かったのと、面白かったが上に一言添えたい事があったので柄にもなくご紹介。

キーボード配列QWERTYの謎
安岡孝一・安岡素子 著
NTT出版


パソコンのキーボードのあのヘンテコな文字の列び、あれをキーボードの上段左側を文字順に読んで「QWERTY配列」という。

これがなぜこんなに「へんてこりん」な列びになったのかというと、ものの本曰く「タイプライターの文字の列びから」で、そのタイプライターは「文字を打刻するアームが、あまり早く打つと重なり合って打てなくなるので、わざと早く打てないような配列にした」とされている。

この話は僕も違う本で何度も何度も読んだので、本当の話だと思っていた。

ところがこの「キーボード配列QWERTYの謎」では、そんな話は「まえがき」の段階であっという間に「嘘でガセネタである」とバッサリと否定されてしまう。

そしてそこから章を費やし、それがなぜ嘘なのかを丹念に丹念に、そしてドラマチックに検証していくのだ。

これは本当に、一体どうやってここまで調べることが出来たのだろうか?と思うぐらいのとんでもない労作なのである。図版も多く、「よくこんなものが残っていたな」と何度も思わせます。

基本的には話題の中心はアメリカでの出来事ですが、最後の方でヨーロッパ(とイギリス)、そして日本の話が出てきます。

そこでは「コンピューターのキーボード」がなぜ「JIS配列」と「U.S配列」に分裂してしまったのかという舞台裏も説明されていますが、これがまあ本当に「もうちょっとで上手く行ったのに~」という感じでとても興味深いです。

ま、そんな訳で「ガジェット」や「道具の歴史」に興味のある人は読んでみても全然損じゃないと思います。

で、そんなとても面白かった本なんですが、どうしても一言言っておきたい事があって、それでわざわざこんな記事まで書いているのである。

その言いたい事とは、

この本は横書きで出版するのが正解ではないですか?

という事です。

事実を細かく拾い、登場する人名や会社名は毎回略さずフルに記載されているのだが、これが縦書きだと、とても読みにくい……。

人名の後にはカッコ書きでキチンとアルファベット表記までしてあるので、余計読みにくい……。

いや、なにか縦書きにこだわる部分があったんなら、それはそれで仕方ないとは思いますけどね。

面白い本だったので、そこだけが気になりました。


ともかく!

著者の安岡夫妻(そう!この二人は夫婦なのだ)は「あとがき」で、QWERTY配列に対する嘘やガセネタに一石を投じるつもりで書いたのだ!と力強く宣言しながらも、その石はあまりにも小さいと嘆いていらっしゃる。

ですので、僕も微力にも及ばない矮小力ですが、ここでこの本を取り上げ、QWERTY配列に対する嘘やガセネタをこれ以上広めないように、協力させてもらいます。

みんなもぜひ読みましょう!


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