久米宏が死んでTBSはもちろんのこと、マスコミ各社がその人となりも含めた功績をアピールしている中、X界隈ではとにかくボロクソに近い論評が飛び交っている。
日本人的には珍しいぐらいの「死者に鞭打ってでも断罪する」という雰囲気がひしひしと漂っています。
これは氏がメインキャスターだった「ニュースステーション」でニュースの最後に氏が添える「お気持ち」で善か悪かを決めるみたいなスタイルに嫌悪感を示す人が今は多い、という事なんだと思います。
そして、氏が先鞭をつけたこの「お気持ち」報道姿勢は当時非常にウケて、結果、今でもニュースやニュース的な番組、新聞等でもとても公平あるいは科学的とは言えないスタイルで継承されている部分もあるのです。
要するに事実だけを淡々と伝えることはせず、ある種の「お気持ち」を込めた報道姿勢を是とする、そういう風土が今でも強く残っている訳です。
この手法はなんの確証もなく誰かを悪者にする事も出来てしまいますし、とくに科学的な部分では命に関わるような「世迷言」も飛び出す訳で、非常に危険なのです。だから怒っている人が多い訳です。命に関わる部分は「お気持ち」では済まないですから。
当時、「自分がそう思ったら世論がなびく」、という部分で氏は大変気持ち良かったとは思います。氏の取った手法は結果的に現在まで禍根を残している訳ですが。
ともかく本人的には日本のウォルター・クロンカイト的ポジションを取れる事に憧れもあったかも知れませんね。人気はあった訳ですから。
でもまあ、特に政治的ニュースに関して最後に一言チクリと添えるのは、個人的にはレオナルド熊的であったと僕は思います。「言ってやったぜ」的な芸風、と言いますか。
あと、自分で言って、自分で大げさに笑うという手法は「ぴったしカンカン」や「ザ・ベストテン」では良かったですけど、やっぱりニュース番組でやるのは、あまり良くなかったですね。
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「ニュースステーション」で個人的に面白かったのを挙げると、中国から共産党のエライさんの嫁か娘が来た時に、番組内でインタビューをしたのだが、その時氏は「自分は中国語は判らない」としながらも「言葉がとても綺麗だ、美しい」などとなぜか何度も持ち上げていた。
直後に通訳の人から「特に……、普通ですけどねぇ」みたいに言われていたのが面白かった。
あと、「人麻呂の暗号」を持ち上げた件もかなりの痛さがあった。
この時は「昔ながら頭の硬いおじさんの日本語研究者」 V.S 「若い女の子の最新研究」みたいな構図に落とし込んで、「昔からの権威がある人が認めたがらないがこっちの方が正しい!」みたいなお気持ちを炸裂させていた。
「人麻呂の暗号」も小説のアイデアとして使うぐらいや「ムー」に掲載されるならそれはそれで面白かったとは思いますが、真面目な学術書として取り上げようとしても、それはさすがに無理だと思います。
「人麻呂の暗号」と一緒に「日ユ同祖論」も番組で取り上げたら良かったと思います。
最後はもう本当に勘弁して欲しかった「リッチー・ブラックモアとキャンディス・ナイト嬢出演」事件でしょうかね、やっぱり。
あれぐらいキッツイ場面をテレビで見ることはなかなかないです。
漫画家の喜国雅彦先生は海外旅行中でアレを生ではご覧になられなかったそうだが、それでも当時「Burrn!」で連載していた漫画内で「不穏な雰囲気を伝えている」ぐらいにはインパクトがあったのだ。
興味のある人はYouTubeでも探せば出てくると思います。
僕はとても見てられないので見ませんが……。
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最後に「ニュースステーションと久米宏」の良かったことを書いておきます。
現在本邦で当たり前になっているレジやATMでの「フォーク並び」は、ニュースステーションでのキャンペーンで日本に根付いたものなんです。
それまでは機械ごとに並列に並んでいたので、遅い列に並んでしまった時は本当にイライラしたもんです。
これだけは「ニュースステーション」は本当に良いことをしたと思います
個人的に本当に唯一これだけは良かったです。
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