2022年1月24日月曜日

飲み終わったら終わるラジオ(13)「話術」

まずはこの15分程の動画を見てやって下さい。


今回も後輩芸人の福人(ふくんちゅ)君のYouTube番組にゲスト出演してました。

今回の一文字は「わ」。そこからテーマは「話術」と、漫談家のピン芸人福人の本領といった感じの話題ですね。


「会話術」ではなく「話術」というと、いきなりプロっぽい感じの言葉になりますね。そして、この言葉が指す範囲は恐ろしく広いように思います。

一般的には「面白い話が出来る」、「話題が豊富」ぐらいの雰囲気で語られる「話術」ですけども、時間通りに収める、どの話をどの順番でするか組み立てる、聞き出す力、言葉のチョイス、間のとり方、目線の配り方、語彙、記憶力、もちろん滑舌や肺活量、声の大きさといったものや、より低レベル(*)なところを言えば「身だしなみ」や容姿、声質なんかも話術の範疇のような気がします。
(注意:ここでいう「低レベル」とは技術者用語でいうところの「ハードウェアに近い部分」の意味で、つまり「より生身の身体に近いところ」ぐらいの意味です)

とにかく相手が「聞く気にならない」のではダメなので、その辺も含めて「聞く気にさせる技術」はすべて「話術」で良いような気がする。

話術が一流なら、それだけで一生食っていけると思います。
僕もそんな技術が身に付いていれば良かったんですけどね。

普段の僕は残念ながら「自分の好きな話題だけ声が大きくなって、しかも長い」という典型的なオタク体質なので、話術というようなモノには縁がない。
ま、普段は人と会話することもないですけどね。

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よく「美容師の話が面白くない」というような噂を聞きますが、僕自身は美容師にかかった事が今までの人生で二回しかないので、ことの真相は判りません。
でも美容師さんも美容師としての腕前以外に話術どうこうでいろいろ言われるのは、本意じゃないでしょうね。たまらないと思います。

逆に「タクシーの運ちゃんの話が面白い」という噂もよく聞きます。
タクシーというのは、運転手本人の話も含め、今まで乗せた乗客のエピソードトークの集合体な訳で、そりゃ1本、2本の鉄板トークはあるだろうなと思います。
「こないだこんな客乗せましてね」というのは、「運転手さん本人」と「その時乗せた乗客」と「今現在乗ってる自分」の三種混合トークになり、タクシーという特殊な逃げ場のない閉鎖空間が効果的に働き、移動する小演芸場よろしく、ちょっとした小話をも面白くするんじゃないかと、そう思います。

どんな職業でも話の面白い人がやってた方がお店は繁盛すると思いますが、多分、歯医者さんだけは例外だと思います。
歯医者さんが施術の間中、ずっと鉄板エピソードトークや落語をしてくれたら、それはそれで楽しいだろうけど、患者側はうっかり笑えないので大変です。

ちなみに僕には小学生の時から行ってるかかりつけの歯医者さんがあるのだが、そこの先生は歯の噛み合わせチェックの時に咬合紙(こうごうし)を口に差し入れて

「はーい、かっちんしてやー。かちかち」

と小学生の時と同じ言い方をするので、いつも吹き出しそうになる。

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上の方で「話術の要素」の話を書いているが、その中で一番重要なのは、もしかすると声質なんじゃないかと、僕は密かに思っている。

いい声というのは、聞いてるだけで心地良い。
話の内容とか正直どうでも良い、そう思える。

昔から原田伸郎さんや森本レオさんの声になれたら良いなと、そんな風に思っていた。
外国の俳優ならアル・パチーノのしゃがれ声も憧れる。

18歳の冬にどエライ風邪を引き、声を出すだけで喉が引きちぎれるほど痛いというような状態になったのだが、その時の声が本当に嘘のような美しいハスキーボイス(*2)で「喉は死ぬほど痛いけど、出来たらずっとこのままでいたい」と本気でそう思った。
残念ながらその「美しいハスキーボイス」は、風邪が完治する前に僕の喉から去っていったが。
(注意2:ちなみに「ハスキーボイス」とは、本来は女性にだけ使う言葉です)

僕は元々自分の声が気に入ってないので、もし神様が

「これからの人生になにか一つあげよう」

と言ってくれるなら、好きな声に変えて欲しいと願うだろう。
割と本気でそう思う。

まあこれは童話だったとしたら、「実は声は元のままで、その声を気に入る」というパターンになるんでしょうけどね!


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