2022年1月12日水曜日

飲み終わったら終わるラジオ(11) 「上下関係の文化」

まずはこの12分程の動画を見てやって下さい。


今回も後輩芸人の福人(ふくんちゅ)君のYouTube番組にゲスト出演してました。

今回の一文字は「れ」で、そこからの雑多な話でした。


軍隊的な組織では、指示は基本的に「命令」なので、上下の立場の違いが非常に重要であるが、こと芸能関係、特に師弟制度の外側にいる人達が「業界に何年居るか」であそこまで強烈な上下関係を築いているというのは、それを長年常識として見てきた側からしても、ちょっと異様な感じがする。

「師弟関係」の面倒臭さから解放された先にあったのは、単に「年数」だけで縛られる絶対的縦社会だった、というのはちょっと皮肉が効きすぎているような気もする。

それに、その上下関係にあんまり意味もないと思うし、もうちょっとフラットでも良いんじゃないの、とはよく思う事である(事務所によってはとてもフラットなところもあるが)。

お笑い芸人になりたての人で、この「強烈な上下関係体験」を「自分は今芸人の世界にいるんだ!」と確認して陶酔するために利用する人がいます。
そういう人は事あるごとにやたらと先輩風を吹かせてみたり、「兄さん、姉さん」と必要以上に言ってみたりします。
3年目ぐらいには治る「はしか」みたいなもんです。

ちなみに僕が個人的に「お兄さん」と呼んでいるのは一人だけ。
上方の曲独楽師「二代目 伏見紫水」その人。
すでに師匠の名前を継がれたので、「師匠」と呼ぶべきなんでしょうか?

よし、次お会いした時に「師匠」に切り替えよう!

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日本には「目上の者には敬語」という文化があるので、人間関係は基本的に同輩以外はフラットな関係にならない。
でも、海外に行った時に見る「歳の離れた友人関係」みたいなああいった文化も、正直羨ましいなと思う。

日本人同士も日本語以外の「敬語」という概念の薄い言語で喋ってる時はタメ口がOKになるのに、日本語になるととたんに上下関係を意識してしまうというのは、ちょっと不思議な感じがする。

敬語自体は便利で素晴らしい発明だとは思うが、意識したくない上下関係も意識させられる点が面倒くさくて鬱陶しいところではある。
日本における店員さんの立場の弱さがまさにこれで、この問題は敬語が存続する限りなくならないだろう。

日本語は人間関係を構築する場合に技術的な面でも、知識的な面でも「使い方」がちょっと難しいようには思う。
敬語ばかりでもタメ口ばかりでもダメだし、そして、敬語を正しく使うのは相当難しい。

散髪に行ったばかりの上司に「頭、イカレたんですか?」と聞くインターネットジョークがあるが、あれなんかは敬語の難しさを端的に表していて面白い。

日本語は「他人と距離をとる言語」と、なんとなくそんな感じがする。
「他人と簡単に馴れ合わないようにするために開発された言語」なんじゃないかと、そう思う時すらある。
日本語は本当に「距離感」が難しい。

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動画の中でまた新たな芸人の名前が出てきたのでご紹介。

今回出てきたのは、「中年マガジン西山」改め「西山工務店」。
某有名工務店というか大手ゼネコンを定年退職してからNSCに入学したという変わり種です。

彼がどんな人なのかと言うと、「中年マガジン西山」という芸名でやってた頃に、僕は彼に「西山さんは ”中年” でもないし、 ”マガジン” は意味が判らないから改名した方が良いと思うよ」と何度か言ったのだけれど、その時は頑なに受け入れず、しかし、後々結局、改名しているという「だから言うたや~ん!」な人です。

あと、彼は今年で芸人10年目。
つまり、R-1の挑戦最後の年。

そして、今年のR-1大阪一回戦

合格してます!

という訳で、これを読んだみんな、ぜひ「西山工務店」を応援しよう!

ではまた!


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