2022年10月11日火曜日

飲み終わったら終わるラジオ(39) 「船舶免許と那須与一」

 まずはこの7分程の動画を見てやって下さい。


今回も後輩芸人の福人(ふくんちゅ)君のYouTube番組にゲスト出演してました。

今回の一文字は「せ」で、船舶免許をとりたいという福人くんの話。
(「続きを読む」以下、約1,680文字)


さて、本題に入る前、動画の冒頭でちょいとボヤいてますが、最近のTwitterというところは、「いいね」はくれても「リツイート」はほどんどしてくれないんですよね。本当に。

福人とのこの一連の動画も、そりゃ大手の有名YouTuberに比べれば再生回数は本当に微々たるものですが、チャンネル登録者数と再生数の割合から見ると実は「とてつもなく見られている」動画なんですよ(福人のチャンネル登録者数はせいぜい80人前後なんで)。

そういう意味では、低次元ではあるが「見られている動画」な訳ですが、それでもまあまずリツイートはされる事がないという現象が起こっています。

今の段階でこの動画を見てる人というのは、相当な福人のファンか知り合いだと思うのですが、それでも「いいね」と「リツイート」の間にはおそろしく高い壁が立ちはだかっているのですよ。

なんなんでしょうね、この現象は?
不思議です。本当に。


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破天荒を地で行く福人父の取得した船舶免許は「一級小型船舶操縦士免許」だと思われる。

これは確かに外洋へ向けて無制限に船を操縦しても構わない免許であるが、本当に無制限に(800海里を超えて)航行しようとすると機関士を雇わないといけないので、動画で言ってるような「オーストラリアまで行ける」というのは、一人でふらっと行けるという意味ではありません。一応。

しかし、そんな外洋を行ける船をもらえるというのも、福人父の意味の判らないところである。普通は貰わないし、貰えるような環境でもない。

総トン数で20トン未満、全長は24m未満というのが一級小型船舶操縦士免許の適応船舶であるが、例えこれが全長10mだとしても、目の前にあると相当デカいというのは想像に難くない。

そんな船を「これ、やるわ」と言われて「こりゃどうも」と譲り受けるというのは、本当に破天荒にも程がある。しかも、譲り受ける時は、船舶免許も持ってなかったのだ。
躊躇しろって、本当に。

しかし、操縦する間もなく台風で転覆したと語っているが、案外これは良かったのではないだろうかと、今ふとそう思いました。

台風が来ず、船の操縦に慣れたら、もっと別のなにかとてつもない失敗が待っていたような、そんな気がします。


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「扇の的」のエピソードで有名な那須与一(ファイナルファンタジーの「よいちのゆみ」の元ネタの人)であるが、漫画などで出てくるイメージと実際の人物とは、そのエピソードにかなりの剥離があります。

漫画等では、平家側が扇を的として掲げた時に、源氏側は「誰かあの的を射れる者は!?」と味方に問い、それに対し那須与一が自ら立候補して「では私が」みたいなイメージで描かれているが、実際は一番手、二番手の弓使いが「いやいや、私には無理です」と断り「じゃあ、那須与一、お前行け!」と指名され「いや、俺かい!?」と仕方なく引き受けたそうです。

的を外せば与一本人だけでなく源氏側全体の名折れになるため、与一は決死の覚悟で的に挑み、射る瞬間は念仏を唱えながらという、ある種の悲壮ささえも感じさせる描写が元ネタとなる文献にはあり、漫画等で出てくる「俺に任せておけ!」という余裕のある姿はそこにはない。

また、劇的なシーンである「的である扇を竿から射落とした」も、実際は扇の真ん中にある日の丸を狙ったが、若干狙いがズレて、扇と竿を結わいつけている所に偶然当たっただけなのではないだろうか、とも考えられる。
個人的には、的として扇を示されれば、その真中の日の丸を狙うのが自然なような気がするので。

文献では、この的を射落とした後、源氏側も平家側も大いに盛り上がり、平家側の武将が一人興に乗って的のあった竿の下で舞を披露したところ、義経はこれも射殺すように那須与一に命じ、実際に与一はこれを射殺したそうだ。

しかし、これももしかしたら、「こっちは必死でやってるのに、調子に乗って踊るとは何事じゃ!」と、極度の興奮状態にあった若い与一が激怒暴走して勝手に射殺してしまった、というのが実情かもしれない。
そのぐらいこの「扇の的」は精神的に疲労するものだった、と解釈すればであるが。

ちなみに那須与一はおおよそ20歳ぐらいで亡くなっていて、「扇の的」は与一が大体16歳ぐらいのエピソードのようです。


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