2022年2月8日火曜日

飲み終わったら終わるラジオ(15) 「マジックとお金」

まずはこの15分程の動画を見てやって下さい。


今回も後輩芸人の福人(ふくんちゅ)君のYouTube番組にゲスト出演してました。

今回の一文字は「に」、そこから話題は「マジシャンのギャラ事情」というディープな話に。


マジシャンはキャリアの割と早期に稼げるようになりますが、実際にお金をもらって「プロ」としてやってる人は、マジックという業界の構成人数を考えるとかなり少数派だと思います。
実はマジックの業界は、アマチュアや製造・販売関係の人の方が圧倒的に多いのです。

プロのなかでも「マジックの道具を販売しない」という「出演のみのプロ」はほとんどいないぐらいの少数派で絶滅危惧種です。

僕もその一人ですけどね。
しかも「マジックをしないマジシャン」なので二重に絶滅危惧種です。

出来たら絶滅させないようにして下さい。

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「マジックの魔力」とでも言うか、マジックはトリックを知ってしまうとどうしても誰かに見せたくなるので、とりあえずタダでもやりたいという「やりたがり」がマジック業界にはかなり多数生息しています。

自分の好きなネタを好きなタイミングでやりたいという人達は、プロにはならずアマチュアのまま過ごします。
アマチュアとは言え、「本業が別にある」という意味でアマチュアなだけで、ギャラをもらったりもするので実態はセミプロです。技術的には凄く上手い人もたくさんいます。

マジックを売りにしてるバーなんかでは時々「ギャラは要らないので出演させて欲しい」というアマチュア・マジシャンが来ます。
こういう人達のやるマジックは「どうしようもなくヘタクソで面白くない」か「高度な技術に支えられレアな道具を駆使するとても不思議な、だけどちっとも面白くない」ものに二分されます。

マジックバーの店主はそれを良く知っているので、大体の人はやんわりと断られます。
ただし、ヘタクソでも「完全プロ志望の人」は様子を見て、出演させてもらえるようになります。

これは、お店としては「マジシャン」が欲しい訳ではなくて、「プロとして接客出来る人」が欲しい訳で、この違いが判らない人はどんなに手品が上手くても雇われる事はないのです。
逆に言うと「賑やかしにマジシャンが欲しい」ところなら、マジックが出来れば多分出演出来ます。

ちなみに「お金を『払えば』アマチュアでも出演できるお店」というのもあるそうです。
なんというか、カラオケ的なノリ、でしょうかね?
それはそれで面白いかも知れません。

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マジックの道具は、ほとんどの場合 未だに「家内制手工業」で作られているため、一度、目的とする道具が手に入らなくなると、次の出物に出会う確率というのは非常に低くなります。
なので、マジシャンは自然と「コレクター」としての活動にも染まります。

同じものを二つ三つ買ったり、同じ道具の他社製品を買ったり、100均で同じコップやトランプを大量に買ったり、とにかく買いまくります。

そして、アマチュアの人の方が圧倒的にコレクターとしての物量が凄かったりします。
それだからかどうかは知りませんが、アマチュア・マジシャンにはお医者さんが多かったりします。まあ、僕の知ってる範囲だけかも知れませんけども。

アマチュア・マジシャンは様々な道具や書籍を幅広くコレクションし、プロマジシャンは今 自分が必要としているものをストックとして大量に買う。そんな「買いまくり」な業界なんですね。

トランプのマジックをほとんどしない僕でも、100セットぐらいは余裕でトランプを持ってます。
ほとんど全部新品で、使うアテは今の所ありませんが。

なんか面白いモノないかなと探したら、これが出てきた。
未開封が二つ(ほかに開封済みがもう一つ)。
業界の人だけ見て笑って下さい。

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最後に。

マジックの業界では、かなりはっきりと「お金はパワー!」というのを感じる事が出来ます。

たくさんの道具を買って、書籍を読み、DVDを見まくるのが、マジシャンとして上手くなるための近道なんです。
ですから、金持ちには超有利な業界なんです。

幾何学に王道はないかも知れませんが、マジックにはあります。いや、ホント。


では、また!


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