2018年11月5日月曜日

おろしや国無酔譚 ウラジオストク滞在記 (7)

おろしや国無酔譚 ウラジオストク滞在記もくじ

「テツローさん、もう着きますよ?」

あと30分ほどで東海(トンヘ)港へ接岸だというのにいつまで経っても起きてこない僕を心配してか、井上くんが起こしに来てくれた。
「洋上朝陽撮影作戦」が失敗し、ベッドに入ってからまだ二時間ほどしか経ってない。

眠たくて仕方なかったが、東海港では必ず下船しなければならないので、起きざるを得ないのだ。もう、トランジットのバカ!知らない!

とりあえず、あんぱんを食べながらデッキに出てみると、もうそこへ中継地である東海港が迫っていた。そして、天候は見事に雨であった(笑)


東海港へのアプローチ
港湾最深部まで突き進む事になる

ちなみに東海港には、韓国海軍の第一艦隊司令部がある、からかどうかは知らないが、湾内部での写真撮影はどうやら禁止されている(場合もある)ようだ。僕は寝ていてアナウンスをきちんと聴いていなかったのでどのような説明だったのかは知らないが、いずれにしても軍事施設に対してカメラを向けるというのは、どの国でもかなりの御法度なので、撮影可能という確証を得られない場合はカメラをしまっておきましょう。


下船の前にまずこれを書いておかないといけない
これ、何回書いても「Nationality(国籍)」のところを
「Japan」なのか「Japanese」なのかで間違ってしまう。
まあ、どっちを書いても何も言われないんだけどね。


船は時間通り9時半には着岸。
この後は、韓国籍の者(帰国者)、韓国に用事のある人、トランジット組の順番で下船させられる。

トランジット組は下船に際して船に残しておきたい荷物をフェリーに預けることが出来るが、この「預ける」というのは本当に名目上の意味だけで、預けたからといって引換券もくれないし、誰かがどこかの部屋で荷物を管理してくれるという訳でもない。

ただ一ヶ所「ここに荷物を集めてます」という場所がロビーにあり、そこに各々が勝手に荷物を置いて下船し、再乗船時にピックアップしていくだけの「恐怖!管理者無しのRIRO(Random In, Random Out)方式」なのだ!
だからみなさん「その場で海に投げ捨てられても後悔しないようなモノだけ」を預けましょうね(笑)

旅客ターミナルのトイレで一息
しかし、なんでトイレの鍵の「かかり」がこんなにギリギリなん?(笑)
大阪地下鉄のトイレの鍵の方が酷いから慣れてるけど不安になる(笑)


そのトイレにあった手洗いシステム
どうやって使うんや?スイッチ?センサー?とか思ってたら、
単純に右側の青いのがそのまままるごと石鹸でした(笑)


さて、韓国での入国処理は素早く、9時半の接岸からわずか30分後の10時には、すでに通関を終え、「韓国、旅の路上にて」というフォト&エッセイの執筆を開始できるほどだった。

ただ、この東海(トンヘ)市、街に特に何もないようだ……。
つまり「普通の街」なのだ。

出港は14時なので、トランジットは約4時間。
通関等を考えて12時にはチケットカウンターへ帰って来て下さいとスタッフから注意されたが、それを考えても2時間。
なんというか、非常に微妙な「空白時間」だ。

トランジットに5~6時間の余裕があれば、電車やタクシーに乗って他のところへ行こうという気にもなる。逆に1時間だったら、もうターミナルから出ないで暇を潰す。

しかし、2時間。
そして、雨。
なかなか微妙だ(笑)

「どうします?」
「せっかく来たんやし、どっか行こうや。なんか食べたいし」
「じゃ、とりあえず ”ミニストップ” へ行きましょ!」

ミニストップとはあのコンビニのミニストップで、船上からもその存在が目視で確認出来る。一説によれば、東海に寄港した日本人のほとんど全員が立ち寄るという伝説のコンビニ、という事だそうな。


東海市マップと移動経路
GPSトラッキング機能をマネして記憶力だけで制作
(間違ってても知るかの精神)
ミニストップはAの付近にある
Bの道は「ネギロード(勝手に命名)」
Cは、東海駅と駅前ロータリー
Dは、謎の格好いい建物
Eは、市場的な通り


バス停(Bus Stop)とミニストップ
ストップ界の二大巨頭 夢の共演に雨も上がる


「いやー、これが飲みたかったンすよね~」と井上くん
謎の「ヤクルトの親玉みたいなジュース」を飲んでご満悦
(バナナ牛乳らしいです)

その後、とりあえず「デンシャスキー」な我々は、韓国鉄道公社の東海駅を見に行こうと、北上ルートを取る。


なにも無く、だれも居ない北上ルート。
なにか寂しい

この北上ルートの途中(マップでの「B」一帯)で、我々は周辺に「ねぎ」が大量に栽培されているのを発見。そう、境港へ行く途上で見た「ネギの海」と同じ光景を再び目の当たりにしたのである!
この「海の近くでネギの栽培」というのは、なにかそういう文化があるのだろうか?
ネギは潮風が好き、とか?
うーむ、謎だ。


韓国鉄道公社 東海駅
せっかく来たのに電車がほとんど走ってない


東海駅付近の電話ボックス
一台が家庭用の電話機みたいなデザイン


東海駅付近はさすがにお店もたくさんあるのだが、それにしても人が全然居ない。
人が居ないというか、居るには居る。でも、とにかく静かで、全く活気が無い。
ゾンビ映画のオープニングによくある、「主人公がひとり目覚めるシーン」はここで撮れば良いと思うぐらいの静寂に満ちた淋しい雰囲気。

時間がまだあったので、一番太い道を辿ってみようと東南方向へ行くも、とにかく店が開いてない。人が少ない。静か。カラスだけがかーかー鳴いている。そんな状況。

交差点まで来たがどの方向を見ても「淋しい未来」しか待っていなかったので、北上しつつ、ぐるっと回って帰る事にした。


外観が格好良いと写真をバシャバシャ撮ってた建物(マップの「D」)
でも、もしかしたら、ラブホテルかなんかかも?
近くにも明らかに「そっち系のホテル」らしいのがあったし(笑)


小さな商店街みたいなところにあった屋内マーケット場
商店街自体に人が居ないし、とにかく静か
もう11時回ってるのに、なんでこんなに人がいないんだろか?

結局、もう一度東海駅に戻り、駅前の7ELEVEnでおやつと食料を買い足し、旅客ターミナルに戻ることにした。

時間が悪かったのか、日にちが悪かったのか、とにかく「寂しい」という感想しか残らない東海となってしまった。


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