2024年9月13日金曜日

[一人称視点麻雀] 強欲でいこう!ゴードン・ゲッコーも納得の一局!?

 まずは、この3分あまりの動画を観てください。

新しく登場した「GiG打法」とは一体なになのか?その秘密がこの動画に……。

四暗刻を和了ってますが、これはなかなかアヤのある和了形ですね。

これ、第一打を普通に九萬としていたら四暗刻にはなってないでしょう?

ここからなら普通は打三筒だと思うけど、そうなると次のツモで悩むことになる。

この両面選択で七筒か八筒に手をかけると、捨牌に七筒と八筒が二枚ずつ並ぶことになる。また、萬子か索子の両面を落とせば、七筒八筒と切った上での六九筒待ちという「相手に猜疑心を抱かせる和了」が出来るかもしれない。そして、それはそれで面白いとは思う。

でもまあ、いずれにしても「リーチ+ドラ3(+一盃口)」ぐらいの手になる(それで十分だとする声が多いのは理解できます)。

第一打九萬から四暗刻ルートに「戻れる」のは、ツモ七索で打三萬、そしてツモ三筒の下の形から

「クッ、こいつは対子場の牌の流れ」と頭の中でつぶやいて、九筒・七索・八索を落とせる人だけです。

つまりこの手は、第一打に八索を切らない限り、四暗刻は和了れないのです。なにかちょっと不思議ですね?

個人的には第一打に九萬を選ばなかったのにはきちんとした理由がありますが、それはあまりにも荒唐無稽で、この手を四暗刻に出来た理由にはならないのでここでは論じません。論ずるに値しない理由なので。

ちなみに、この手は「手なり」なので個人的にはあまり気に入ってないです。これよりも動画の冒頭にチラッと映るハネ満の方が、手順的にはよっぽど面白かったです。


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「GiG 打法」の元ネタ、ゴードン・ゲッコーと「Greed is good」の事をちょっと書いておきましょうか。

ゴードン・ゲッコー(Gordon Gekko)とは、オリバー・ストーン監督作品の映画「ウォール街 (Wall Street/1987)」に出てくる、血も涙もない資本主義の権化のような投資家の名前です。演ずるのはマイケル・ダグラス。

このゴードン・ゲッコーが株主を前に打つ演説に「Greed is good (強欲は善)」というセリフが出てくる、と一般的にはされている。

実際に "Greed is good" という言葉で検索をかければ、Wall street や Gordon Gekko がヒットするし、映画の本でも名台詞としてこの言葉が載っている。

しかし、映画の中に「Greed is good」というダイレクト過ぎるセリフは実は出てこない。

映画に登場するセリフはもう少しだけ控えめで

The point is, ladies and gentleman, that greed - for lack of a better word - is good.

「つまり、みなさん、強欲(貪欲)は、語弊がある(言い方が悪い)かもしれないが、良い事なんです」と、ちょっと遠慮がちなセリフとして登場する(態度は全然遠慮がちではないが)。

そして、そのすぐ後に「Greed is right (強欲は正しい)」と直接的な表現をするのだが、なぜか「Greed is good」の方が「実在するセリフ」として、とても有名なのです。

これもなにかちょっと不思議ですね。

ちなみに、このゴードン・ゲッコーのモデルになった実在の人物 アイヴァン・ボウスキー氏は、今年の5月20日に亡くなっています。

この人こそが「Greed(強欲)」を肯定的にとらえたスピーチをした本家本元の人なんですが、この人は「I think greed is healthy (強欲は健全(健康的)だと思う)」と、これまた違った表現をしています。

これを読んでゴードン・ゲッコーやアイヴァン・ボウスキーに興味を持った方は是非「ウォール街」を観てみて下さい。

 

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片山まさゆき先生の名作麻雀漫画「打姫オバカミーコ」を読んだことのある人なら、そこに出てくる「セレブ打ち」と今回の「GiG打法」のどこが違うのだ?と疑問を持つことだろうと思う。

麻雀の「打法」なんてものに、明確に「こう違うんです!」と言えるかどうか甚だ疑問ではあるが、個人的には全然違うと思っている。

「セレブ打ち」は、手の可能性を閉じず、手順や和了形としての「美しさ」が大事なのではないかと、自分はそう理解している。

そのためにテンパイ速度を犠牲にする場面や打ち込みに回る場面でも、「自分には(お金の)余裕がある(と信じている)からそんなものは気にしないで、麻雀としての美しさを追求しましょう」という基本方針を崩さず、その延長線上に結果としての「高い手になる」や「大勝する」場合があるよ、という打ち方、それが「セレブ打ち」なのだと。

ひるがえって「GiG打法」は、とにかく出来る限り高い打点で和了りたいというのが基本方針なのである。手の美しさや局の状況など関係ない。

そういう意味で、今回のケースは非常に分かりやすい。

ハネ満を和了った後の両面のあるドラ暗刻でも、満貫で我慢せず、四暗刻という最高打点が見えるならそれを目指すのだという打点への飽くなき欲望。

ドラ(一萬)暗刻なら打西でええやん
「セレブ打ち」なら打西じゃないですか?

ツモ八筒の場面で、とりあえず打西とせず、いきなり打九筒とする決め打ちや(上の図)、テンパイ後ダマハネにせず即リーチと行く態度、それが「Greed is good」な行動だと言えると思います。

ちなみに僕は、役満の可能性が見えたら役満を狙いますから、そういう意味では普段から「Greed is good」な人のように見えますが、でもいつもは、二盃口とか三色同刻、三槓子、搶槓なんかも狙ったりもするので、全然「Greed is good」な人ではないのです。

僕は単に「自分の決めた最終形で和了りたい」だけの人です。高いか安いかは、あまり関係ないのです。

なんというか、つまり「GiG打法」というのは、後ろで見てる人が「うわ、こいつ欲張ったな~」と思う、そんな打ち方です。

「打姫オバカミーコ」で言うなら、反田猟子の打ち方が近いと思います。


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実は、前にGPCで四暗刻を和了ったのも「6月3日」だったんですよね。

偶然なんですけど、これもちょっと不思議な偶然。

そして、この四暗刻を和了る前日、雀サクッの新田さんに会った時に麻雀のルールの話になって、「四暗刻と国士無双は、正直言って倍満で良いですよねぇ」と、珍しく意見が合ってたんですよ。

出現頻度に応じて役の価値を変えるという話をすると反発する人が多いので、この意見の合致には少々驚きましたが、嬉しかったです。

ま、これはそんな思い出深い四暗刻なんです。

ちなみに、GPCではちゃんと役満として点棒を頂きました。

ルール上しかたなく、ですよ!

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