2022年3月23日水曜日

飲み終わったら終わるラジオ(20)「地雷」

まずはこの10分程の動画を見てやって下さい。


今回も後輩芸人の福人(ふくんちゅ)君のYouTube番組にゲスト出演してました。

今回の一文字は「せ」、それから「戦後」、その後はずっと地雷の話でした。


不発弾処理の話で「緑橋」の名前が挙がっているが、これは40年ぐらい前の話で、当時は電光掲示板ではなく、多分プリントしたビニールシートのようなものが歩道橋にかかっていたんではなかったかなと、今にして思う。

僕が今持ってる「不発弾処理」を呼びかけている電光掲示板の写真は、以下の一枚だけ。

天神橋筋八丁目にて撮影
(2008年7月10日)


「不発弾処理」自体は人生で何度も出会えるほど実施されているのだが、僕は普段あんまり出歩かないので、こういった電光掲示板を見ることが出来たのは、今の所この時が最初で最後だ。

出来たらあと二回ぐらいは見たいもんだ。

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地雷は、一般人の被害も多く、非人道的兵器の代名詞みたいに言われて廃絶を強く訴えられているが、兵器のコンセプトとして優秀過ぎるので、おそらくこれからも変わらず使い続けられるだろうと思う。
とにかく、守る側からすればただ単にばら撒いておけば良いわけで、これは相当使い勝手が良い。そりゃ、かのポル・ポトも「最高の兵士」と仇名するなと、思わず納得してしまうところではある。

地雷は
・無力化するための労力が過大にかかる
・足元のどこにあるか判らないという恐怖
・ある程度なら踏んでも触っても「爆発しない」
という要素があり、時限爆弾と同様に、ドラマを盛り上げるためのアイテムとして映画や漫画等で多く取り上げられる機会のある兵器である。

地雷処理を描いた映画で一番に思い出すのは「ヒトラーの忘れもの/Under sandet(2015年 マーチン・サントフリート監督)」である。
緊張感が長く続く映画なのであまりオススメしないが、地雷処理がいかに危険で悲惨で遅々として進まないのかは、これを観ると良く解ります。

韓国映画の「JSA(2000年 パク・チャヌク監督」は、敵兵士が踏んでしまった地雷を無力化する、というのが話のとっかかりになっています。

ジョン・カーペンター監督の傑作映画「ニューヨーク1997(Escape from New York/1981)」では、最終盤に路面が地雷原になっているという橋が出てきます。

クリント・イーストウッド監督の「硫黄島からの手紙(Letters from Iwo Jima 2006)」には、人間地雷として散ろうとするも、結局それを実行しない将校が出てきます。

地雷処理でもう一作思い浮かんだのだが、残念ながらタイトルを完全に失念してしまったので知っている人がいたら逆に教えて欲しい。
ポル・ポト政権下で強制的に地雷処理に挑まされる大人、カンボジアから逃げる人と逃がす人の友情と約束、傷口にお金(金の板?)を隠す、最後桟橋で火だるまになるシーンがある、そんな映画だったと思う。
よみうりテレビの「シネマ大好き」で観たと思うので、どなたか心当たりのある方、どうか教えて下さい。

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漫画で思い出す地雷処理は、まずは手塚治虫大先生の名作「ブラックジャック」の「不発弾」ですね。ブラックジャックの過去が初めて鮮明に解説された回としても有名です。

浦沢直樹先生は「MASTERキートン」と「BILLY BAT」で踏んでしまった地雷をどうにかする、という話を描いてます。また軍事教練漫画の「パイナップルARMY」では、地雷やトラップをどういうところに仕掛けるか、という話も描いてます。

いしいひさいち先生は、地雷一個で敵軍の進軍を効果的に止める方法を漫画で示しています。

アニメの「太陽の牙ダグラム」では地雷原を突破するのに、まず地面にギリギリ当たる程度にバズーカ砲的なモノを水平に発射し、その時に出来た溝の上をバイクで疾走する、という離れ業を展開しています。

木城ゆきと先生の「銃夢 LAST ORDER」には、主人公が幼少の頃に、脅迫されて地雷原を歩かされた過去の話が出てきます。そしてそれは前日譚である別の漫画「銃夢火星戦記」へと繋がっていく訳です。

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戦場カメラマンとして有名なロバート・キャパは、地雷を踏んでの最期となった。

それまで、スペイン内戦、日中戦争、第二次世界大戦、第一次中東戦争と戦場を渡り歩いてきて、その中にはあの有名なノルマンディー上陸作戦もあったりするのだが、その度に無事にくぐり抜け、取材を完遂してきた男が、小川の堤防に設置してあった地雷に自ら触雷して死亡という結末は、初めて知った時になにかとても不思議な感じがした。

また、そのキャパの死をもじって「地雷を踏んだらサヨウナラ」という名文句を生んだ同じく戦場カメラマンの一ノ瀬泰造氏は、地雷を踏むことはなかったが、クメール・ルージュに捕まり処刑された事が判っている。

地雷というのは、本当になんというか「ままならない物である」、そんな感じがしますね。


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