2022年3月9日水曜日

飲み終わったら終わるラジオ(18)「50m吹っ飛んでみよう!」

まずはこの11分程の動画を見てやって下さい。


今回も後輩芸人の福人(ふくんちゅ)君のYouTube番組にゲスト出演してました。

今回の一文字は「ひ」、そこからたき火の話、そして50mという言葉から「古い単位」の話なんかをしました。


冒頭で福人が言っている「火炎瓶みたいなやつ」と、僕が言ってる「炭鉱なんかで使うカンテラみたいなやつ」は、どちらもいわゆる「アセチレン・ランプ(カーバイドランプ)」のことですね。

アセチレン・ランプは一昔前なら、ちょっと田舎の釣具屋さんに行けば新品が手に入ったのだが、残念ながら現在は良品の入手がかなり難しい。
また、アセチレン・ランプ自体が手に入ったとしても、燃料となる炭化カルシウム(カーバイド)のピレットの購入や、燃焼後の残渣(カス)の処分がちょっと面倒くさいので、もはや今後はマニアックな用途以外にほとんど目にする機会がないと思われる、まあそんな照明器具である。

ただ、僕は密かにアセチレン・ランプは今後「ちょっとしたブーム」が来ると睨んでいるのだ。

それはなぜかと言うと、アセチレン・ランプの火が灯る原理(*)や、火の色が今の人からすると、とても興味深いと思うからだ。
昨今のキャンプブームにあわせてワークマンやダイソーがそれらしいアセチレン・ランプ一式を発売すれば、一発でファンが増えるだろうなと、そう予測している。

ワークマンさん、ダイソーさん、今がチャンスですよ!
もし本当に作るなら、ボディ部は透明な素材で作ることをオススメします!


* アセチレン・ランプの火の灯る原理:燃料となる炭化カルシウムに水を垂らし、炭化カルシウムと水の化学反応から発生する燃焼ガス(アセチレン)に火を付けるという、ちょっと面白い方式で、そして、その火はとても明るい。
明るさの調節は「水を垂らす量」で調節するところも面白い。

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僕は日々いろんな事を考え、そして、その考えにほとんど誰も賛同してくれないというのが毎度の事なのだが、多分この「昔の単位を使おう」というのは、その最たるものだと思う。

ただ大雑把に「昔の単位を使おう」と言ってる訳ではなくて、その真意は動画のラストで言っている「人間を中心にした、人に根ざした単位を使え」という事なのである。
現行の24時間法とメートル法に慣れた向きには言ってることすら意味不明であろうが、一日を24に区切ったり、地球の大きさから長さの単位を採ったり、水の相転移から温度を決めたりするのは、人間に根ざしてないから直感的に解りにくい、と言ってる訳です。

時間と長さはある程度ですぐに慣れるが、特に気温に関しては正直「今日の気温は◯℃です」と言われても、実際のところなかなか正しく状況を把握出来る人はいないと思う。

「いやいや、俺・私は気温に合わせてちゃんと行動出来てるよ」と息巻く人もいるだろうが、それはたまたま日本の日常が「徐々に寒くなり、徐々に暑くなる」型なので、前日の気温を参考にして「まあ、こんなもんだろう」と服装を変えるという事を無自覚にやっているだけで、これが完全なランダムで「昨日は8℃、今日は22℃、明日は13℃、明後日は28℃」となったらば、果たしてきちんと対応出来るかというと、おそらく出来ない人の方が圧倒的に多いと思う。

また、冬のニュースなどで良くある「気温はマイナス5℃ですが、強風のため体感温度はマイナス20℃にも感じられます」という言い方も、「じゃあ、そのマイナス5℃という説明になんの意味があるの?」と思わざるを得ないわけである。
気温はとにかく風と湿度に大いに影響を受けるので「◯℃」という表記に大した意味が見出だせないのが現状である。
個人的には気温なんてものは学術的なもの以外は「死ぬほど寒い」、「寒い」、「心地よい」、「暑い」、「死ぬほど暑い」の5段階評価で、それぞれに「上中下」的な3段階補助子を付ければそれで十分だと思っている。1℃単位の温度の変化なんてほとんど誰も体感出来ないんだし。

ただまあ、「人間に根ざした単位」自体にも難しい問題があって、「人間的な値をどこに取るか」というのは解決が難しい。
人それぞれ身体の作りや感じ方は異なるので、どのようにして「人間的な平均の値」を設定するかはかなりの難問である。上の気温の例だと、現在の何度から何度までが「心地よい」になるのかは、人や土地に依って相当大きな開きがあるだろうし。

また、過去の単位がそうであったように、感覚的な単位は月日を経るごとに尺度がどんどん変異していったりするので、必ず基準となる変動しない別の単位系が必要になる。
そうなると、「じゃあその『変動しない基準となる単位系』を普段から使ったら良いんじゃないの?」と堂々巡りの議論が発生し、「単位を人間的感覚で使いたい」という言葉にあまり魅力を感じない人々が「それ見たことか!」と一大攻勢に出てくるので、僕は非常に面倒くさいのだ。

ともかく。
単純に尺貫法が良いと言ってる訳ではないので、その辺はお間違いなく。

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尺貫法ついでにどうでもいい話ですけど、現在流通している千円札のE号券「野口英世」と一つ前のD号券「夏目漱石」の横幅は、ほぼぴったり5寸なんです。
つまり千円札を横に二枚並べれば10寸 = 1尺な訳です。

千円札の横幅は150mmなので、1尺は約30cm、 一寸は約3cm(*)と解ります。

寸法変換を大まかにしたい時に、この知識を使って下さい。
使える場面が人生にどれほどあるかは知りませんけど。

*正確には一寸は3.303cmですけどね。


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壊れたパソコンなんとか直し、騙し騙し使いながら書いたので、動画の公開からかなり日にちがあいてしまった。

待っててくれた人、すみません。
懲りずにまた読みに来て下さい。

ではまた次回!


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