2020年3月3日火曜日

笑ってっ亭176の公演中止について

3月3日の「笑ってっ亭 176」を「なぜ公演を中止にしたのか」について記しておきます。

まず、2月末時点では3日の開催は普段どおり行われる予定でした。
風向きが変わったのは2月28日にユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)が休園を発表し、翌29日に吉本興業が直営劇場や主催公演を中止・延期すると発表したことです。

大阪のエンターテイメントを代表するこの2大企業が休止を発表するのは、非常に重大な事件です。ありえない事態と言っても過言ではないでしょう。

本来ならこういった巨大企業が休んでいる間こそ、我々弱小団体がその間隙をついて「なにかをする」のが地域エンタメとしての「筋」だと思いますが、今回は「感染する未知の病気」であるというのが、公演を行う上で大きなネックになりました。
また、マスクやトイレットペーパーが売り切れたり、迂闊に咳も出来ないような世の中の雰囲気も、非常に危ういものに見えました。

我々が公演を行う Studio ZAZA HOUSEという劇場は、インディーズライブを行うには特別に広い劇場で、集客人数や公演時間を考えても、いわゆる「濃厚接触」にあたるような状況にはなりにくいと、そう考えています(この判断は今でも間違ってないと思います)。
ただそれでも、万が一、お客さんに感染という事態が起これば「それみたことか!」となるのは確実でしょう。

そして、昼寄席は1日五回公演が基本となっており、一回の公演で退出されるお客さんと違い、出演者は6時間近く劇場に滞留することになります。つまり、出演者が一番感染のリスクが高くなる、という状況になります。
身体が資本である芸人にとって、未知の病気の感染は文字通り「死活問題」になります。

「笑ってっ亭」に出演している芸人はやる気に溢れているため、今から中止を撤回して「明日は通常公演をする」と言えばそのまま出てくるでしょうし、出演芸人で多数決を取れば、全員が「公演を行う」に手を挙げると思います。
こんなやる気のある彼らだからこそ、感染のリスクから遠ざけないといけないんです。
やる気のある芸人の背中を押すのも、やる気が暴走して無謀になるのを止めるのも、第三者である主催者の役割だと思っています。

臆病過ぎる、用心し過ぎるという意見があるのも判ります。
ただ、火災警報が鳴って逃げずに留まれば最悪の結果は「死」で、真っ先に逃げ出せば最悪の結果は「誤報で逃げた笑い者」になるだけです。命がある方が結果として良いと、個人的にはそう思います。

今回の騒動も、後に振り返って「テツローさん、あの時はやらかしましたね!」と笑われるのが「いい結果」なのです。

笑えるような結果になることを祈りましょう。
きっと大丈夫だと信じています。

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