2018年10月17日水曜日

おろしや国無酔譚 ウラジオストク滞在記 (5)

JR境港駅に着いた我々は、そのまますぐにはフェリー出港地である境港には向かわず、とりあえず食料調達の旅に出た。
これから、ほぼ二日間船上生活なため、その分の食料を購入するためだ。

駅近辺に「まるごう」という、大阪で言うところの「関西スーパー」や「Satake」にあたるスーパーマーケットがあることはすでに(井上くんが)リサーチ済みだったので、そこへ向かう。

境港駅周辺マップ

「まるごう」へ向かう道すがら、遠くに「ファッションセンターしまむら」の看板を発見した私はテンションが上がり「ちょっと寄ってみようや?」と提案したが「いや、遠いですって!行きませんよ!」と、あっさり却下の憂き目に遭う。
大体において、この旅でなされる僕の提案は即却下される運命であった(笑)

境港まで我慢してご飯を食べなかった井上くんはここでお弁当を食べる
スーパーで買って、スーパーの駐車場で即食べる地産地食スタイル
掲げているのは「俺の元気飯 よくばり丼」
この後、もう一品オムライス弁当も食べた(笑)

P.Aに寄るごとにちょいちょい食べてた僕はおにぎりのみ
僕は一日に少量を何度も何度も食べるタイプ

ちなみにフェリーの中にはレストランも売店もあるので、ここで2日分の食料を調達する必要は全くないのだが、往路からレストランや売店を利用すると、復路での船内生活が「暇過ぎて死ぬ可能性がある」と推察されたため、行きに関しては船内施設をなるべく使わないでおこうと決めていたのだ(「9.3フェリーの往路ではレストランを使わない協定」)。

そんな訳で「まるごう」で2日分の食料を調達した我々は、いよいよ無料シャトルバスに乗り、境港へと進行した。

船で海外に出たことがなかったので「国際線のフェリーターミナルはどんなものなのだろうか?」と期待していたのだが、シャトルバスから降りたその先にあったのは、果たしてプレハブ工法で建てられた2階建ての小さな建物だった。

「ホンマにここでええの?」
「ホンマか?」
と思わず二回も訊いてしまった(笑)

とりあえずその建物に入ると、確かにフェリーのチェックインカウンターもあるし、出国時に特有の「変なことしたら出国出来ないかも?」的な緊張感も若干は感じられた。

備え付けの椅子にはまばらに人が座っていたが、目に見えて日本人は少なかった。

ゴルゴ13による安全教育
東郷さんも「たびレジ」に登録してるのか?
(国際旅客ターミナルにて)

そして、この国際旅客ターミナルでの出来事について語るとすれば、それはもう、「フェリーの乗船手続きは死ぬほど作業が遅い」の一言に尽きる。

「この人数を捌くのに、なんでこんなに時間がかかんねんな?」

という思いが何度も何度も頭に浮かびました(笑)

実は、国際航路でビザやパスポートの確認が必要なため、予約表を見て「はい、チケットどうぞ(にっこり)」、みたいな単純な手続きではない上に、チケットカウンターのスタッフは一人しか居ないのだ。そりゃ、遅くなるはずだ~。
しかし、待つ方はツライのです。

ひっくり返った航路図
今は「新潟-ウラジオストク航路」はないようだ

乗船手続きが済めば、そのまま隣の部屋のイミグレーションへ。
日本から出国する日本人に関しては、手荷物検査等はかなり「ゆるゆる」です。まあ、そらそうでしょうけどね。

出国手続きが済めば、建物を出てすぐフェリーへと
今回乗船するのはDBSフェリーのEASTERN DREAM号


フニャフニャな乗船タラップ
慣れないとちょっと怖いです
ちなみに「タラップ」はオランダ語なので英語圏の人には通じません

乗客の乗船開始から出港までは一時間半ぐらいあるので、早目に乗ると一時間ぐらいは船内で出港を待つことになる。
その間に船内を探検するもよし、僕のようにライフジャケットを試着して後輩から「スタッフに怒られますから、ホンマにやめて下さい」と注意されるもよし(実話)、思い思いに過ごしましょう(笑)

我々の「エコノミークラス」客室
幅、長さ、高さともに余裕のクリアランスがあり、とても快適だった
「エコノミー言うたけど、めっちゃええやん!」と喜ぶ私
ただ、これは「当たりの方」のエコノミークラスだと後に知ることになる


私の荷物全景
リュックと手提げかばん(青)と食料品 from まるごう
リュックにはカメラやバッテリー、その他付属品などの電子機器が、
手提げには「その場で捨てても後悔しないモノ」が入っている


夕方のまだ明るいうちに乗船したが、出港前はこんな感じになっていた
暗くなり「国際旅客ターミナル」がさらに小さく見える

国際航路のため、乗船人数の確認は厳格に行われる。
タラップには必ずカウンターを持ったスタッフが居り、船へ向かう通路・進路は隔離され、周辺を入管のスタッフが見張っている。

この光景を見て、ようやく「出国する」という実感が徐々に湧き上がってくる。
徳島阪神フェリー(古っ!)で徳島に行くのとは、ちょっと雰囲気が違うのだ(笑)

やがて地上に居たスタッフも乗船し、タラップが引き上げられ、もやいが解かれると、今までのアイドリングとは明らかに違う強い振動が足元に伝わり、フェリーは岸壁を離れた。

定刻通りに無事出港
見送る人が全然居ないフェリーの出港というのは、今回が初めてだった

こうして旅は無事に海路に切り替わり、ここからは、とてもとても退屈な船上生活が始まるのだ。

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おろしや国無酔譚 ウラジオストク滞在記 (4)

では、今回からいよいよウラジオストクへ向けて出発である。

ちなみにこの旅行の日程調整、移動手段の検討・確定、ホテルの予約、観光ポイントの策定、ルーブルへの両替、ウォン持参、方角指南、お天気占い、安全祈願、CPR訓練、捕縛術会得、チャクラ開眼、猪木ボンバイエ等は、すべて後輩の井上くんがやってくれたので、僕はすっかり「ダメ兄さん」として「ただ付いていくだけ~」の楽な旅行が出来ました(笑)

これはお互いの「旅行観」が逆だったから、たまたま上手くいったんだと思います。
多分。知らんけど(笑)

旅行の打ち合わせは計5回ほど
井上くんの提案に僕は「それでええよ」と答える(笑)

さて、当日はまず大阪梅田に集合し、そこから高速バスでJR米子駅前まで約4時間の移動である。

実はこのバスに乗ったわけではない
先走って間違ったバスを撮影してしまったという訳です(笑)


バス乗車中の私の足元
どこへ行くにも旅行中は大体常にサンダルとカーゴパンツです
ちなみに靴下には穴が空いている(笑)

バス+船旅だと、例え国境を越える旅であったとしても、荷物のパッキングは比較的楽ですね~。

最近の飛行機は機内持ち込み手荷物のサイズや物品がかなり厳しく制限されているので、どうしてもスーツケースが必要になる場合が多いが、船旅だと基本的に自分の荷物は自分しか触らないので、本人が投げつけたり引きずったりしないのであれば、風呂敷包みでもなんとかなります。使いやすいかどうかは別ですけど(笑)

米子駅前でタバコ休憩をする井上くん
彼は、前後にリュックを背負うダブルアイリッシュ・ダッチサンドウィッチスタイル(嘘)
ちなみに、このようなスタイルでも前後のリュックを同じモーションでどちらでも先に
リリースする背負い方があります。

いくつかのP.Aでのトイレ休憩と、山陰地方に入ったとたんの雨と霧、そして山陰のヘソとも言うべき名峰大山がその雨と霧で全く見れないというショッキングなイベントを経て、ようやくJR米子駅前に着いた。

バスでの長時間の着席のため、この時すでに私のケツは限界を迎えており「今回(の旅)はもうここで限界」、「もうええ」とぼやいていた。

JR米子駅前に佇むカバ
ヒポポタマス好きの私にとっては旅の疲れを癒やす一服の清涼剤となった
しかし、ワニに食いちぎられたようなこの造形はなぜなんだ?


JR境線
JR米子駅からはこの列車に乗ってアンドロメダ銀河へと向かう
テツローだけに機械の体を手に入れねばならないのだ!(使命感)
(JR米子駅前の銀河鉄道999のモニュメント)

JR米子駅からは、JR境線に乗り、終点の境港駅を目指す約45分の旅。
JR境線は「鬼太郎」尽くしの路線でつとに有名。

噂に聞いた「砂かけばばあ列車」が鎮座する0番線
ここからひたすら「鬼太郎ワールド」が始まる

ロシア名「エートシーノ・デンシャスキー」である僕は、即座に先頭車両に乗り、ケツ保護の観点から、45分間を立ちっぱなしで乗車することに決めた。

米子空港の滑走路迂回部分以外は、ずっと真っ直ぐな軌道が続く

弓ヶ浜半島とJR境線全線図

JR境線が走るのは弓ヶ浜半島。
駅名にも「浜」が付くものがいくつかあったので、地形的にも「きっと線路の両側に海が見える美しい路線なんだろう」と想像し、カメラを構えて待っていたが、線路の両脇に見えたのは、延々と続くネギ畑の海でした。

「運賃は 後藤 まで」
ワンマン運行なので、この表記を見て運転手さんが「後藤さん」なのだと思ったら
後藤駅という駅があってそこまでの運賃を表示していただけだった(笑)


米子空港は航空自衛隊の美保基地なのである
C-1輸送機とYS-11が並んでお出迎え


終点 境港駅とその周辺
そして駅の周りはうるさいほどの「鬼太郎ワールド」
あんまり興味が無いので僕は基本スルーでした

境港駅に到着し、ようやく陸路の旅はほぼ終わった。
ここからは、この夜に乗るフェリーの旅用の準備もしなければならない。

しかし、それはまた次回の講釈で!


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2018年10月16日火曜日

おろしや国無酔譚 ウラジオストク滞在記 (3)

今回の「ウラジオストクへの旅」の旅程がどのようなモノだったかを書き記しておこう。

旅程図(往路)
緑…高速バス
青…JR境線
赤…DBSフェリー

大阪梅田集合(おやつ300円まで)
 ↓
バス(約4時間)
 ↓
JR米子駅前
JR米子駅
 ↓
JR境線(約45分)
 ↓
境港駅
 ↓
無料シャトルバス(約10分)
 ↓
境港
 ↓
フェリー(約15時間)
 ↓
韓国・東海(トンヘ)港
トランジット(約3時間)
 ↓
フェリー(約24時間)
 ↓
ロシア・ウラジオストク港
同志よ到着おめでとう!さっそくシベリア送りだ!

という、ウラジオストク到着までまるまる二日間を要する長い長い旅なのである。

ウラジオストクへ行く間に韓国に寄るため、「日本 → 韓国 → ロシア」と三カ国を股にかけて移動する事になるが、実はフェリー自体はパナマ船籍なため、実際には、「日本 → パナマ → 韓国 → パナマ → ロシア」というように国を移動している事になるらしい。

ちなみに、乗船中はパナマの法律が適用され、公海上でなにか事件があれば、それはパナマ警察に捜査権があるそうで、この辺は海洋法上、国際法上いろいろと「面倒くさい」みたいです。
その「面倒くさい」ありさまを何か見てみたかったが、残念ながら今回の旅では何もトラブルは起こらなかった(笑)

あと、パナマを通過した事になっていたとしても、パスポートにパナマのスタンプは押してもらえません。これまた残念。

ま、それはさておき!

旅程が明確になったところで、次回からいよいよ旅が始まるのである!
多分(笑)

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