約40分程度のちょっと駆け足の自動車博物館滞在であったが、それでも思いのほか楽しんだ我々は、次の目的地「キタイスキー市場」へ行くために、ウラジオストク市電のサハリンスカヤ電停(駅)へとやって来た。
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サハリンスカヤ電停 荒れ放題だけど謎にハデハデな装飾がされている 電停でこんな立派な屋根があるのは、多分サハリンスカヤだけ |
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ガタンゴトンとやかましく入線してくる298号車 行きで乗った289号車より若干モダンなデザイン |
サハリンスカヤ電停に併設されている例のガラス張りのロシアン・キオスクで飲み物などを補給しつつ電車を待つ。
サハリンスカヤ電停はこの線の終点で、今、目の前に到着した電車がループ線をぐるっとひと回りして逆方向のこちら側にやってくるという仕組みとなっている。
この方式は電車の方向転換にポイントや転車台を必要とせず、管理費や人件費を低く抑えられる代わりに、ループ線用の広い土地が必要になるので、土地の価値が高い日本ではまず見られない方式である。
なのでこういうところはじっくり見ておく方が良い。
ただ、傍目には「ただ電車が走っているだけ」にしか見えないので、ループ線を競馬場のパドックに見立てて、「今日は毛艶が良いな!」や「ちょっと入れ込み過ぎかもしれないぞ?」などと言いながら見るといいと思います。
ま、僕は黙って見てましたけどね。
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乗客全員が着席する美しい車内風景 窓の上部にカーテンが付いていたりして、ちょっとオシャレ 日差しの強さにこの日の暑さを想像してください |
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電車もバスも固定料金なので、乗ったらすぐに小銭で料金を準備する 乗車料金は「小銭でお釣りなく」が基本である 電車は16ルーブルなのに間違って26ルーブル用意している私(笑) |
キタイスキー市場の最寄り駅は、サハリンスカヤ電停から6つ目のスポルチヴナヤ電停(※)というところで、今朝乗車したあのルゴヴァヤ電停の隣である(※ 「スポルチヴナヤ」はGoogle Maps には「リノク」として載っているので注意すべし)。
僕は「キタイスキー市場」という名称を聞いて、即座に「とれとれ市場」とか「黒門市場」みたい所を想像したのだが、それだとどうも井上くんのテンションの高さが理解出来ないなと、薄ぼんやりと考えていた。
とにかく井上くんは、自動車博物館亡き後は120%のオススメ度でキタイスキー市場を推してくるのである。
「”キタイスキー” は中国人って意味なんすよ」
「ここは絶対面白いですよ!」
「フリーマーケットもやってますからね!行くしかないでしょ?」
車中、キタイスキー市場の良さを熱く語ってくれる井上くん。
僕は頭にとれとれ市場のマグロ解体ショーのにぎやかさを想像しながら到着を待った。
電車が目的地のスポルチヴナヤ電停に着くと、井上くんは「ここですよ、降りますよ!」と言って、光の速さで降りていった。
僕はと言えば、上記の通り、間違えて26ルーブルを用意していたため、電車を降りた後に運転手に大声で呼び止められて、「なにか悪い事をしましたか?」顔で再度乗車すれば、「はいこれ」と10ルーブルを返してもらうという新たなるロシアンほっこり体験をしていたため、大幅に出遅れてしまった。
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「運転手は女性ばかり」と言われるウラジオストク市電 ただ我々の乗ったこの電車の運転手は若い男性だった 横に指導教官らしい女性が付いてちょいちょい指示をしていた 「10ルーブル」に気が付いたのも女性の方だったようだ |
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キタイスキー市場への入り口 ここだけ見ても確かに楽しげである ボーマン船長だって「なにか素晴らしいことが起こる」と言いそうだ |
「ちょっと、なにしてんすか?こっちですよ、こっち!」
先に行っていた井上くんが呼ぶ方へ行ってみると、そこはキタイスキー市場への入り口だった。
その入り口を見た時点で、「これは確かに面白そうや!」と思わせる何かがあった。
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