ものすごい轟音をたてて扉が開き、脚の悪い人の存在を1ナノ秒も考慮に入れずに設計したと思われる高いステップを3段上がると、路面電車への搭乗は完了である。
そして、駆け込み乗車をする人が扉を開けてもらおうと閉まるドアに腕を差し込んだ場合、その腕を粉砕骨折においやる程のパワーでドカンとドアは閉まり、路面電車は走りだした。
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ちなみにこれは路面電車に乗車直前の井上くんである |
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そして、これは路面電車に乗車直後の井上くんである |
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最後にこれは1つ目の駅(電停)到着直後の井上くんである いや、一体いつTシャツになったんや!(笑) ま、とにかくこの日は暑かったのだ、本当に |
この路面電車、ゲージ(軌間)が広い割にまるで安定して走行しない。直線区間であっても常にグラグラ、ゆらゆら動いていて、まるでバスの様な挙動をする。
おそらくこれは、保線の基準が「ま、脱線しなけりゃそれでいいじゃん!」という実用的な精度で維持されているからなんだろうと推察される。多分、いや知らんけど。
でもまあ、そんな乗り心地です。
このウラジオストク市電は、いつ廃線になってもおかしくないような雰囲気がぷんぷん漂っているので、乗ってみたいと思った人は大急ぎでウラジオストクに行きましょう。
僕ももう一度、次は全線を往復で乗りたい。
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ハードな座り心地を提供する椅子 味があってイイですねぇ~ |
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ピンク色の路線が乗車区間 オレンジ色の路線にある「サハリンスカヤ」が終点かつ本来の最寄り駅 オレンジの「輪っか」は電車が方向転換をするループ線 |
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ノヴォジロヴァ電停で下車 去っていく後ろ姿も愛らしい289号車 これが289号車を見た最後になるとは、この時は知る由もなかった (ミスリードを誘う紛らわしい書き方) |
予定通り終点の一つ手前であるノヴォジロヴァ電停(駅)で下車し、近辺をうろうろ散策してから自動車博物館へ向かうことにする。
まずは方向的には逆向きだが、車窓から見えたデカい「スーパーマーケット風のなにか」に行ってみる事にした。
線路の脇をみんなが「まあ、便利だしいっか」という軽い気持ちで歩き続けたため、下草が生えなくなり、やがて生活道となった、いわばロシア版の「桑田ロード」を我々は「スーパーマーケット風のなにか」に向けて進んでいった。
線路の脇をみんなが「まあ、便利だしいっか」という軽い気持ちで歩き続けたため、下草が生えなくなり、やがて生活道となった、いわばロシア版の「桑田ロード」を我々は「スーパーマーケット風のなにか」に向けて進んでいった。
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スーパーマーケット風のなにか いや、完全なるスーパーマーケットだった |
このスーパーマーケットは、ロシア人の普段の生活が垣間見える品々がたくさんあり、とても興味深かったのだが、我々の事を万引常習犯の流れ者バックパッカーと思ったのか、超強固なガードマンの「一秒たりともお前らからは目を離さないぞ!」ディフェンスに遭ってしまい、のんびり気楽にショッピングという雰囲気ではなくなってしまった。
とにかく我々がどこへ移動しようと、ガードマン同士がトランシーバーで連絡を取り合い、X軸Y軸の両軸から醒めた目で我々を見張っているという対応をされてしまい、僕はもうすっかり買い物をする気分が失せ、店内を半分も見ないうちに退店してしまった。
ちなみに井上くんはパンを2,3個買ったようだが、笑顔で「おい、パン買ったぞ!お前も食うか?」と日本語でガードマンに話しかけていたようである(なにしとんねん笑)
とりあえず、目的地の逆方向に歩いてきたので、まずノヴォジロヴァ電停まで戻って、それから自動車博物館方面に向けてぶらぶら歩いて行きますかと、パンをもぐもぐ食べながら井上くんが言った。
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ノヴォジロヴァ電停に戻ってきたら見覚えのあるバスが…… なんと、このバスは今朝乗ったバスじゃないか! お前はもう終点まで行って折り返して来たんだな ノヴォジロヴァは電停とバス停の共同駅なのである |
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団地の道路に居た猫 人に慣れていて近づいても逃げない ただ、愛想はなかった |
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ひと駅歩いて終点かつ最寄り駅のサハリンスカヤ電停に到着 オリーブドラブ塗装でまるで軍用車両のような電車が停まっていた これもシブい! |
サハリンスカヤ電停までくれば、あとは歩いて1,2分ほど。
いよいよ自動車博物館に到着である。
時計は10時50分を指したところであった。
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