自動車博物館の中間地点「ルゴヴァヤ」へ向けて、バスは登り坂をノロノロと、しかし爆音だけは高らかに進んでいく。
昨日の「ロデオバス」が嘘のような穏やかな運転だ。せっかく座ったのに。
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車内は空いていて、そして穏やかな運転のバス 昨日の「鷲の巣ルート」とは大違いである |
途中の車窓は特に見るべきものもなく、とうとう一度も「おお!」や「なんやあれ!?」といった声をあげずに、バスは6つ目のバス停に着いた。目的地の「ルゴヴァヤ」である。
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「沿海行政府ビル前からルゴヴァヤまでのルート」 多分、確か6つ目のバス停だったと思う 海外ではアナウンスではなくGPSで降りるバス停を決めるのが最近の風潮です いや、それが鉄則です、多分、知らんけど (クリックして拡大) |
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ここまで乗せてきてくれた「掛布バス」との別れ このバスはこのまま一足先に自動車博物館を目指す |
「ルゴヴァヤ」バス停を降りてすぐ横に、なかなかイカすコンクリート製陸橋(歩道橋)があった。
時間がなかったのでわざわざの撮影は出来なかったが、手持ちのカメラで歩きながらタイムラプス撮影だけしておいた。
これが僕の「歩道橋動画」の最初の一本である。
だからなんだと言われたらそれまでだけども(笑)
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歩道橋の上から撮影 左側のバスの辺りが「ルゴヴァヤ」バス停 僕らの乗ったバスはこっち方面から来て…… |
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こっち方面へと走っていったのである そのバスももう見えない |
さて、このルゴヴァヤバス停から、路面電車のルゴヴァヤ駅(電停という)までは、直線の最短距離では行けず、若干トリッキーな行き方をしなければならない。
つまり、まず先ほどの歩道橋を渡り、左側に弧を描くように曲がり、細い路地に入り、しばらく歩いて、建物に入り、二階への階段を上がり、「空中商店街」になって路面電車の軌道を跨いでいるそのビルの反対側へ移動し、階段を降りて、再び今来た方向へ軌道を渡りつつ、左方向へ200m程歩く、という複雑怪奇な行程を経なければルゴヴァヤ電停には辿り着けないのである。
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ルゴヴァヤバス停から電停までの移動経路 途中ぐるぐる回ってるのは折返し階段 実際に電車に乗ったのは電停ではなくバツ印の辺りである |
そして、この複雑怪奇な経路を井上くんはなんの迷いもなく一発で突き進むのである。
ただでさえ観光ガイド本が少ないウラジオストクに、こんな移動経路が説明されている本があるとはとても思えないのだが……?
一体どうやって予習したんだ?
勘なのか?
それとも実は地元の人なのか?
もしや前世がウラジオストク人!?
謎は深まるばかりである。
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ほとんど地中に埋まっている路面電車の軌道 架線や路面、周辺の雰囲気が雑然としていて見ているだけで楽しい それにしても路面電車とは思えないほど軌間が広い どんなモンスター車両がやってくるんだろうか? |
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やって来ました路面電車 なにか古色蒼然とした、鉄板を貼り合わせただけのような風貌 日に焼けて褪せたような色使いが格好いい! ちなみに、この路面電車の上にあるのが「空中商店街」 |
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電停まで走ろうとしたら目の前で停まった 車体の使い込まれたヤレ感が素晴らしい! これは路面電車のKV-1やで! |
僕はこのルゴヴァヤ電停辺りの雰囲気と、路面電車の風貌がとても気に入った。
出来ればここに半日留まって、やってくる路面電車の全バリエーションを撮影したいと思った程である。
「路面電車……。こいつは楽しめそうだぜ!」
そんなジャンプ10週打ち切り漫画の第一話の最終コマのようなセリフを頭の中に思い浮かべつつ、我々は電車に乗り込むのであった。
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