時は経て、きっちり一年後の2018年3月18日。場所は前回と同じ大阪モーターサイクルショーで再会した我々。この間に僕はパスポートを更新し、井上くんはアメリカ横断旅行を成功させていた。
そしてなにより井上くんは、アメリカ横断旅行を経て、「写真を撮ることの楽しさ」に目覚めており、あろう事か僕より高いカメラ、僕より良い機材でなにやら情緒的な写真まで撮り始めていたのだ。しかも、マニュアルで!
「あ、これはもう確実にロシアでも美しい写真を撮る気満々ですわ」と、即座に判るほどの気の入れようである。
つまり「写真を撮るために行くのだ、母なる大地ロシアへ!」という、倒置法を用いた強い意志が感じられる。
反対に僕は、「写真は記憶の補完なので撮れるか撮れないかが大事。美しさは二の次」という考え方で、ロシアにも「行けたら行けたで良いし~」ぐらいの感覚だった。
ところが、このモーターサイクルショーの会場で、どうしてもロシアに行かねばならないと思わせる事件が起きた。
毎年出展しているロシアのバイクメーカー「ウラル」。
知る人ぞ知るサイドカーの有名ブランドなのだが、いつもは最小のブース面積にサイドカーが一台だけという出店形態なのに、この時はなんとバイク四台を一気に展示するという気合の入った出展だった。
「ロシアがここまで本気なら!」
「我々も行かねばなるまいて!」
果たしてそのような会話がなされたかどうかは不明だが(絶対にしてない)、とにかくこれを見てロシア行きが固い決意に変わった、というのは本当のところだ。
異国への旅というのは、本人の意志だけではなく、彼の国からの「呼び込み」のような、そんな引き寄せる「何か」がないとダメなのだ。
このウラルの大規模展示は、タイミング的に十分な呼び込みになった。
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ロシア行きを決定づけたウラルの展示 決してモデルの女性が美しかったからではない! いやでも、モデルの女性は美しかった!それは本当! |
そしてこの日、ウラジオストクへはハイシーズンを避けた9月上旬か中旬に、大好きなフェリーで行く事が決定したのだった。
(2) へつづく
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