朝の周辺徘徊からホテルに帰ってきたら、もうそのタイミングでチェックアウトであった。
ホテルで出会った人たちにお別れを述べて、ロビーのカウンターにいる女性従業員に「じゃ、チェックアウトしますんで」と伝えると「どーぞ、どーぞ。またね」的なジェスチャーをしてくる。
いやいやいやいや、そうじゃない。
チェックインの時に渡したパスポートを返して欲しいのだと、ジェスチャーをまじえて伝えると、その女性はニコッと笑って目線を下に落とし、カウンターの内側でなにやらゴソゴソやり始めた。
そして、一瞬、顔色が曇ったかと思うと、今このホテルで預かっているであろう全てのパスポートをドスンと2つの山にしてカウンターに積み上げ、さあどうぞ、というジェスチャーと共に再びにこやかに微笑んだ。
僕と井上くんは一瞬顔を見合わせたあと、その2つのパスポートの山から自分のパスポートを抜き出し、女性に示した。
女性は写真等の確認を一切せずに、パスポートの山をカウンターの内側にしまうと、「見つかって良かったね!じゃ、また!」的な笑顔で我々を見送ってくれた。
ね?ウラジオストクの女性ってオチャメでしょ?
セキュリティはまあ、がばがばですけども。
さて、この日はお昼の12時にはウラジオストク港で乗船券をもらって通関をしないといけないので、当然遠出は出来ない。
せいぜい港までの道のりにある面白スポットにちょっとだけ寄り道するのが精一杯である。
そこで選ばれたのが本物の潜水艦をそのまま博物館として公開しているその名もズバリ「潜水艦博物館」である。
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С-56(シー56ではなく、エス56である)潜水艦 この本物の潜水艦の内部が博物館となっている |
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よく見ると魚雷発射管が塞がれている 船首に海底二万哩のノーチラス号のようなギザギザがついているのが見える |
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入り口から入ってすぐの所に艦橋へ通じる階段があるのだが どうも公開してないのか入れさせてくれなかった 残念 |
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潜水艦の陰鬱な雰囲気を吹き飛ばす美しい改装 広い!綺麗! |
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潜水艦用チェス 3次元的な揺れにも対応するためボードに挿すようになっている そして、スペースのない潜水艦用なので本体はめちゃくちゃ小さい |
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無骨なデザインなので旧ソ連製かと思いきや これはドイツの銃器メーカーであるモーゼル製 名前が入ってるので有名な艦長の銃とかなんですかね? |
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この水密扉を抜けると、発令所以降の保存区画 水密扉はとにかく小さい おじさんにはくぐるのが難儀です |
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どれがどれやねん! と思うほどのバルブ、バルブ、バルブ! そこら中バルブだらけ! |
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発令所なので定番の「潜望鏡深度につけ!」も出来ます ただし、なんにも見えませんけど |
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発令所の区画を抜けると、雑居区画 木の温もりが感じられる作りが自慢となっております(多分) そして、雑居区画を抜けると…… |
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魚雷発射管室となる訳です ここにはベッドも吊るされています 「寝るなら魚雷発射管室が良い」というのを本で読んだ事がある 船内は蒸し熱いので、魚雷の冷たさが心地良いんだとか |
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魚雷発射管 右下、右上、左下、左上の順に1,2,3,4と番号が付いている 尾栓があんがいペラペラですな 爆発を受け止める訳じゃないにしても、注水時の水圧は大丈夫なんかな? |
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で、この魚雷発射管から外が見える 塞がれてるはずなのに なんで? |
で、この魚雷発射管室の真横が出口で、お土産物売り場です。
潜水艦艦長のような立派な帽子をたくさん売ってます。あと、細々としたものも。
ちなみにここに居た男の店員さんは、片言ながら日本語が話せますし、1,000ルーブル札を出しても「ダイジョブ」と言ってくれます(ただし一瞬は動作が止まります)。
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お土産でキーホルダーを購入 ディテールがなかなか素晴らしい ただAKの方は銃身がすぐ曲がる |
この潜水艦博物館のある周辺は、戦没者記念公園なのかいろいろ野外展示もしてある。
なにか「永遠の火」というものが灯されているはずなのだが、少なくとも僕が見た時には、火はついていなかった。
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トーチカ的な展示のF-34 76mm戦車砲 KV-1っぽいけど丸っこいし、違うのかな? |
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これは野砲ですかね? もう全然分からんな、こりゃ ペンキがベッタベタに厚塗りしてある |
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有名な教会だそうです 知らなかったのでたまたま撮ったこの写真しかない (しかもこっちは裏側) このすぐそばに有名な「ニコライ二世凱旋門」というのもあったそうだ でも知らなかったからそれは全然見てない |
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潜水艦博物館の近くにはこんな軍艦も公開されている ただしこっちは船内には入れず甲板を歩くだけの公開展示だそうだ なので乗らなかった |
この潜水艦博物館を中心とした公園の見物が、我々のウラジオストクでの最後のイベントとなった。
あとはもうウラジオストク港に行くだけだ。
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