さて、ウラジオストク自由港に到着した我々は、下船し入国審査を受けることになるのだが、ここでも例の長い順番待ち行列が発生することになる。
優先順位はいつものごとく
1.現地人(ロシア国籍を有する者)
2.ウラジオストクに仕事で来た人
3.トランジット(今回はあまり居ないが)
4.お上りさんの観光客(我々)
5.シベリア送りの人々
となる。
我々、観光客はどうせ一番最後なので、のんびり最後尾付近で待っていたのだが、最前列である一階ロビーは人がごった返し、なにやら殺気立った雰囲気であった(※「ロシア人は無言で立ってるだけでなぜか殺気立った雰囲気になる」の法則)。
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最後尾の3階ロビーから行列を眺める 一階の出口付近はぎゅうぎゅう詰めで殺気立っている |
フェリー接岸から40分ほどかかってようやく我々は下船が可能となり、そこからさらに40分ほどを経て入国審査を通過。最後はロシア・コマンドサンボ極東代表のような「見上げるほどデカく、ハグできないほどの胸板を持つ」ロシア軍人が、凍った瞳で見つめる手荷物検査場を抜け、ようやく母なるロシアの大地に記念すべき第一歩を記すことができたのだった。
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そして、こんな裏路地みたいなところでロシアの第一歩を記す事になった。 まさかの入国ロビー無しという厳しい現実! |
その第一歩は、まさかのバックヤードという華やかさが1mmもないところであったが。
この「路地裏」で入国審査でバラバラとなった井上君と合流。
彼はお金を下ろしたいのでATMを探したいと言い出し、この裏路地からまったく読めないキリル文字を頼りに謎のドアに突入、細い階段を上がり、怪しげな薄暗い通路を進んで行った。
ここでさっきのコマンドサンボ極東代表に出会って「お前らなにしてるんだスキー!ここは立ち入り禁止区域だネンコ!ぶっ殺シチョフ!」とか言われたらどうしようと内心ドキドキしていたが、出てみればそこは普通のロビーだった。ああ、良かった。
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暗い通路を抜けてみれば、そこはロビーだった というか、入国審査のあとは、まずここに出るように設計して欲しいぞ |
井上くんがお金を下ろそうかどうしようか悩んでいる間、僕は隣にある「シベリア鉄道ウラジオストク駅」が気になって仕方なかったので、「俺は電車を見たいので、とりあえず一旦バラけてあの辺で10分後に集合しよう!」と「とりあえず作戦」を提案し、適当な集合場所を指さし、駆け足でウラジオストク駅へと飛んでいった。
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シベリア鉄道の電気機関車 JRのEH型のような形態であるがこちらは3両編成である すぐに通り過ぎたので詳しい型番とかは不明。残念 |
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ヨーロッパ的な雰囲気が漂うウラジオストク駅 この反対側はもっとヨーロピアンだが再塗装中だったので 一部飛散防止シートに覆われていて美しくはなかった。 |
写真を撮り終えて集合場所に戻ってみると、井上くんは謎の○○スタン人(何スタンかは不明)に巨大なパンをもらっており、 旅の出だしとしてはまったく意味不明過ぎる展開となっていた。
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僕は旅行に行く時に必ずジップロックを10枚ほど持っていくのだが それがさっそく役に立った (のちにこのパンが一人の日本人青年の命を救うことになる) |
パンおじさんと別れた我々は、二人してウラジオストク駅構内に降りてみた。
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駅構内に静態保存してある蒸気機関車 1-Eという日本ではなかなかお目にかかれない軸配列だった (なのに動輪を見せないアングル 笑) 「真っ黒+完全なる逆光」だったので撮るのに苦労した |
見どころのたくさんある駅だったのだが、二人が一番足を止めて見入ったのは、この蒸気機関車でもなく、かの有名な「キロポスト」でもなく、実は雨樋(あまどい)であった。
これを見てる時に、ロシア人やその他観光客の「なんやこいつら?」の視線が刺さりまくったが、逆にこの美しい雨樋を見ずしてウラジオストク駅を語るなと、私はそう言いたい。強く言いたい!二度、三度と言いたい!実際には言わないけど!
まあ、それはともかくとして。
こうしてウラジオストク駅を存分に堪能した我々は、いよいよ街中へグイグイと歩を進めるのだった。
(11) へつづく
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白壁に映える銅板叩き出しの雨樋 造形が美しい! |
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あなたもこれでウラジオストク駅の雨樋マニア! |
これを見てる時に、ロシア人やその他観光客の「なんやこいつら?」の視線が刺さりまくったが、逆にこの美しい雨樋を見ずしてウラジオストク駅を語るなと、私はそう言いたい。強く言いたい!二度、三度と言いたい!実際には言わないけど!
まあ、それはともかくとして。
こうしてウラジオストク駅を存分に堪能した我々は、いよいよ街中へグイグイと歩を進めるのだった。
(11) へつづく
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