2015年6月16日火曜日

それは直線と曲線のラプソディ。湿地に消えた国境 ー 世界点線紀行 パキスタン・インド

Google Maps にある国境が点線の地域を紹介する「世界点線紀行」
第四回は「パキスタン・インド」

パキスタンとインドはここ。

パキスタンとインドの位置関係
パキスタンとインドと言えば、世界でも有数の「一大点線地帯」である「カシミール地方」を有することで有名であるが、ここについては今回は扱わない(もの凄く点線がややこしいので)。
今回扱うのは、もうちょっと地味な地域である。

パキスタンとインドの国境線からカシミール地方を除くとこんな感じになる。

カシミール地方を除く国境線
お互いに超強力なライバル関係にある両国であれば、この国境線に点線部分がいくつ含まれていてもおかしくはない(と思う)。

ただ、意外にも発見出来たのは一か所だけ。
それがここ。

パキスタンとインドの点線部分
このまま行けば無事にインド洋に出れるな、という直前で発生する点線部分。
しかも、拡大するととても複雑な形になっている。

<拡大図>グニャグニャでやんす
国境線がこのようにグニャグニャになるのは、たいがい河川で国境を決めた場合なので、ここもおそらくそれが原因でこんな複雑な形になったのだろう。

ただここは、このグニャグニャに至る直前との対比が面白い。

グニャグニャとその直前
直線、直線と来た最後の最後でこのグニャグニャ具合。ここで一体なにが起こったのだ?

この辺りはカッチ湿地と呼ばれる大湿地帯で、時期によっては川と陸、海と陸との境界も曖昧なため、決めようとした線が流れだし(?)、確定しないまま現在に至る、みたいな事情なんじゃないだろうか?いや、良く解らないが。

実際に衛星写真で見ても、川と陸は境界がよく判らない。
「直線地帯」にも河川っぽものは見えるが、地図上では地面になっているのでワジ(涸れ川)になっているのだと思う。

同じところの衛星写真
そして、この切り取ったかのような直線部分がなんなのか調べてみたら「第二次印パ戦争でカッチ湿地をパキスタンに800平方マイル割譲」という資料があった。

残念ながらどの部分がどのように割譲されたのかは判らなかったが、この部分はあまりにも意図的に直線的なので、関係はあるんじゃないかと思う。

ただし、単純に切り取ると面積が全然合わない。

”切り取った” 部分だと250平方マイルしかない
むむむ。
気持ち悪い。

構図は複雑だが発生した経緯が判りやすく国際的にも注目を集めているカシミール地方は山ほど資料があるが、このカッチ湿地は残念ながらあまり情報がない。

そんな訳で、
この直線と曲線は、例によってシリル・ラドクリフの忘れ形見なのか?
それとも後の印パ戦争の影響なのか?
それは僕には解りませんでした。

そんな、今後も情報収集が必要な「直線と曲線のラプソディ」的国境。
それがカッチ湿地。

この点線が今後どうなるのか、みんなで見守っていきましょう。



以下余談:
この辺りは古代から東西の交易所・中継所として栄えていたようで、あのインダス文明で名高いモヘンジョ・ダロもわりと近くにある(直線距離で400km)。

モヘンジョ・ダロとの位置関係
で、見てたんですが、このモヘンジョ・ダロがちょっと面白い。
いや、面白いというかなんというか。

地図で見るとこんな感じなんですよね。

モヘンジョ・ダロ周辺
いやこれ、空港近すぎへん?
500mほどしか離れてないんやけど……。
こんな一級品の古代遺跡のすぐ近くに空港を造ってもいいもんなんですかね?
良く判らんけど、あんまり良い影響はないような気がする。

ちなみにモヘンジョ・ダロ遺跡はGoogle Mapsの衛星写真からばっちり見れます。
ちょっと感動しますよ。ぜひ見て下さい。

モヘンジョ・ダロの大浴場
僕も写真をじっと見て、例の有名な大浴場を発見出来ました。
衛星考古学って、僕には向いてるかも?


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