2012年7月11日水曜日

片山まさゆき先生から直接聞いた「サクサク」誕生の秘密


僕が個人的に選ぶ「漫画が生んだ三大オノマトペ」は、故手塚治虫の「シーン」、高橋留美子の「ちゅどーん」、そして片山まさゆきの「サクサク」である。

今では完全に一般化している ”物事がスムーズにすすむ時の擬態語” としての「サクサク」。この言葉を漫画で最初に使ったのが片山まさゆき先生。今の人にはピンと来ないと思うが、この言葉は少なくとも80年代以前は一般には全く流通していない言葉だったのだ。もっと言うと90年代を通しても、片山作品でだけ突出して使われていた言葉なのである。

「サクサク」に関連して、片山作品では麻雀牌をツモる時に「サクッ」という擬音語も多用される。この「サクッ」という擬音語を ”麻雀牌をツモる時の音” として最初に使用したのも片山まさゆき先生だ。当然ながら実際の麻雀ではこんな音は一切聞こえない。なんとも不思議な擬音語だ。

この言葉がどうやって生まれたのか、僕はずっと気になっていた。そこでGPCの対局中に片山先生ご本人に直接訊いてみた(ちなみにGPCは対局中に対局者と喋ることを推奨しています)。

「先生、なんで(麻雀牌を)ツモる時『サクッ』っていう擬音使いだしたんですか?」

「すんごい昔に、あるおっちゃんが、ある雀荘のマスターなんだけど、その人が『さくさく切れ』って良く言ってたの」
「で、その言葉が面白いなって思って、漫画で使ったのが僕が最初なの」

あら、なんとも意外。
「サクッ」っとツモるのをみんなが連続で途切れなくスムーズに行うから「サクサクする」という表現に発展したのかと思えば、出自は「サクサク」の方が先でしかも第一用法は「切る」だったとは。

残念ながら「サクサク」が一体なにを表現して生まれた言葉なのかは判らなかったけど、長年の疑問がちょっとだけ氷解。

この言葉を生んだ ”ある雀荘のマスター” が誰なのかは訊けなかったが、もしかしたら明治大学近くの雀荘のマスターなのかも知れないですねぇ。

誰か東京近郊の方、この雀荘を探してみて下さい。で、「サクサク」が一体何なのか、マスターから訊き出してみて下さい。
一般に流通するような「普通の単語」の製作者に会えるなんて、国語学上そうない事ですよ!


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